久志13区からのアピール


 西暦2000年を目前に控えた今日、1999年12月19日、私たち久志地域住民は波騒ぐ辺野古の浜に集いました。私立ちの目の前に広がるサンゴの海は太古の昔からたくさんのいのちを育み、その海の恵みを受けて私たちは先祖代々、今日まで生かされてきました。そのかけがえのない海、いのちの恩人である海がいま、まさに殺されようとしています。日米両政府とその意を受けた稲嶺県政は、地元住民に一言の相談もないく、一方的に辺野古沿岸域に巨大な軍民共用空港を造ると発表したのです。
 私たちは2年前、穏やかに暮らしていた地域住民を引き裂き、混乱に陥れた普天間基地の辺野古沖への移設をめぐって市民投票を行い、あらんかぎりの権力と金力を使った政府の圧力をはね返して、地域住民、名護市民の総意である「反対」の意思を全世界にむけて発信しました。今も生き続ける民意を踏みにじり、「振興策」を鼻先に突きつけて岸本・名護市長に移設受け入を迫る政府や県のやり方は、差別に差別を重ね、地域住民と地方自治を愚弄するものです。
 私たちは、このような屈辱的な受け入れを名護市長や名護市議会が拒否するよう強く求めます。万が一市長や市議会が受け入れたとしても、地元住民は絶対に受け入れないことを表明します。
 2500メートルから3000メートルにも及ぶ滑走路を持ち、現在の米軍ヘリの何倍もの騒音と危険をまき散らすオスプレイが配備されるという新たな基地は、旧久志村全域はもちろん、隣接する宜野座村、東村を含む東海岸一帯に大きな基地被害をもたらし、騒音地獄によって地域住民の生活環境を破壊することは明白です。たとえ基地使用協定が結ばれたとしても、それが守られる保証は何もありません。東海岸一帯は世界一の米海兵隊の演習区域となり、残された自然環境は破壊され、日本で唯一、この東海岸を棲息海域とする国際保護動物・ジュゴンも絶滅してしまうでしょう。
 私たちは、海と山の恵みの中で、平和で豊かに暮らせる21世紀を子供たち、孫たちに手渡していきたいと願っています。真の地域振興は、基地と引き替えに上から降ってくるおカネによってではなく、地域住民自らの頭と手足を使うことによって実現できると確信しています。久志地域住民は新たな基地を拒否し、近隣住民と手を携えて平和な21世紀をつくっていくとをここに宣言します。

1999年12月19日

ヘリポート阻止協議会(命を守る会)・ヘリ基地いらない二見以北十区の会 及び 久志地域総決起大会参加者一同
二見以北10区の会 http://www.jca.ax.apc.org/~higa/OKINAWA/futami.html