海軍と闘う人々/プエルト・リコ
ブリジット・グリーンバーク(AP)
ワシントン(AP)(2000,02,16) (抄訳)
海軍のプエルト・リコにおける不活性弾の投下の再開を認めるクリントン大統領の命令は、軍の即時撤退を求めている住民の利益をまったく無視した尊大で非民主的な決定だと、抗議行動参加者の代表は述べた。
「われわれは海軍に出ていってもらいたいのだ。彼らはお望みならば、ステッテン島やマーサズ・ヴァインヤードでも爆撃すればいいのだ」デモを組織した漁民のカルロス・セノンは言った。
記者会見でセノン氏や他のデモ参加者は、プエルト・リコ本島から8マイルのところに位置する面積51平方マイルのビエケス島において海軍の模擬弾の射撃訓練を止めさせるために抗議行動やその他の市民的不服従の行動を継続すると述べた。このグループは水曜日、国会議員と会見しホワイトハウス前で抗議行動をした。
同日別の記者会見において、クリントン氏はビエケス島において身をもって楯となっている抗議者たちを強制的に立ち退かせる考えがあるかを問われた。彼は直接これには答えず、プエルト・リコの人々は彼の指示を「完全に合理的な妥協」として受入れるべきだと述べた。
「良い合意が生まれることを依然として信じている」と彼は言った。「わたしはこの妥協をプエルト・リコの人々に対する権利付与だと考えている。」
およそ60年にわたって海軍はビエケスを占領し爆撃・射撃訓練場として利用してきた。島の9,400人の住民は軍が武器を貯蔵している西部地域と爆撃訓練や模擬上陸演習が行われている東部地域に挟まれて暮らしてきた。
目標を誤った爆弾が民間人の警備員を殺傷し他の4人を負傷させた昨年4月以来、抗議者たちは演習場の中に入り自ら楯となって演習を阻止してきた。軍の演習は一時的に停止されプエルト・リコ側は爆撃演習場の閉鎖を求めてきた。
しかし、クリントン氏はプエルト・リコ知事のペドロ・ロセッジョ氏と先月、軍に当面演習の継続を認め、ただし不活性弾のみを使用するとの合意を取り付けた。その合意によれば2001年に実施されるべき住民投票によって、島民は二つの選択肢から選ぶことを要求される。すなわち、
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住民は海軍に演習場の使用を、実弾の使用も含め、自らの条件で認めることができる。あるいは、
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海軍にすべての演習を2003年5月までに止めることを要求出来る。ただし、それまでの間海軍は模擬弾による演習を継続出来る。
多くの人はビエケス島民は海軍の撤退を求めると読んでいる。
水曜日の抗議者の中にはミルタ・サルタ・ロドリゲス、昨年4月に殺された35歳の警備員デビッド・セインズ・ロドリゲスの妹(姉)の姿も見えた。彼女はなきながら兄弟をなくした悲しみを語った。
「わたしは海軍にビエケスから永久に出ていってほしい。」通訳を通して彼女は言った。
抗議者たちはまた、プエルト・リコ全体のほぼ2倍に当たる100,000人中208人という高いガン発生率も軍事演習が原因となっていると主張している。