6月6日(火)6:43(東部標準時)
原子力規制委員会と活動家たちが汚染除去をめぐり衝突
クリス・ホーレイ(AP)
サン・フアン(プエルト・リコ)(AP)環境保護グループの活動家たちが火曜日、合衆国の原子力委員会の係官と、ビエケスの射爆場に誤って発射された放射性の劣化ウラン弾の一部を放置することになりかねない浄化計画をめぐって衝突した。
委員会の地域主任ルイス・A・レイエス氏は、活動家たちも同席した記者会見で、「土に埋められたまま放置される(劣化ウラン弾の)危険は最小のものである。それは爆撃演習場内部であり、公衆に立ち入りが制限されている区域なのだから、問題をおこすことはない」と語った。
この発表は、1999年2月19日海兵隊の2機のハリア・ジェットが、劣化ウラン弾の使用を戦闘地域に限定している連邦法および海軍の規制に違反して誤射した263発の除去を海軍に要求してきた環境保護グループの人たちを憤慨させるものっだった。海軍は昨年57発を回収した。
「あなたたちは、ビエケス住民の健康を害するという点において、海軍の共犯者ではないか」とプエルト・リコの民間の環境保護センターのサラ・ペーシュ氏はレイエス氏に対してこう述べた。
レイエス氏によれば弾丸はわずかな放射性をもっているだけで、肺やその他の身体部分に摂取されると疾病の原因となる。長時間被爆するとやけど様の傷を生じるとのことだ。
浄化作業に海軍が使用している機材は砂地の地面に10インチ程度しか掘り進むことができず、一方、装甲車の重みで爆発するように設計されている弾丸はもっと深い場所に埋められている可能性があると述べた。
海軍はすべての弾丸を発見するためには、200フィート×半マイルの土地を掘り起こさねばならない。(原子力規制)委員会としては、クリントン大統領が海軍のビエケスからの撤収を命じない限り、(そのような除去作業を)命じることはないだろうとも、彼は述べている。クリントン氏は、来年に予定されている住民投票で住民が海軍の撤収を求めたならば、それに従うと約している。
委員会は、土壌、水、植物などの試料採取を水曜日に実施し、放射性残留物が住居地域に到達しているかどうかを調べるという。同島の最大の都市は11マイル離れたところに位置している。
しかし、海軍がこの夏に予定されている砲弾および模擬爆弾による演習を開始した後は同委員会はもはや調査を継続する予定はないとのことだ。
元ペンタゴンの劣化ウランに関するコンサルタントであり、現在はビエケスの急進派の支持を得ているドゥーク・ロッケ氏はこれに対して、「弾丸が撃ち込まれ続き、劣化ウランの分子を含む土埃が舞い上げられれば、深刻な健康への危険が継続しているといわねばならない」と彼は述べる。
海軍は1999年2月の事故を(原子力規制)委員会には報告したが、プエルト・リコ政府には報告を怠っている。事故のニュースは3ヶ月後にある環境グループの情報公開法に基づくこの問題とは直接関係のない請求によって明るみに出た。
事故の2ヶ月後に海兵隊のF-18ジェットが射爆場内の目標をはずして2個の爆弾を投下し、民間人警備員が死亡した。
この事故は、9千3百人の人が住む長さ20マイルの島での実弾爆撃演習に対する反感に火をつけた。抗議者たちが演習場内に入り込み、そこで昨月連邦警察によって排除されるまで一年間にわたってキャンプをはって占拠し続けたのだ。