- 正義の平和のキャンプの声明(2001/06/11)
- 平和と正義のキャンプからのレポート(2001/06/13)
- ブッシュ大統領、合衆国海軍のビエケスでの演習の終了を表明(2001/06/14)
- ビエケス閉鎖の発表に、軍、連邦議会は遺憾(2001/06/15)
- 海軍の爆撃演習再開、「静かな」抗議行動(2001/06/19)
- 市民的不服従行動への緊急の呼びかけ(2001/06/22)
- 海軍大臣、ブッシュ大統領のビエケス爆撃演習終了の決定を支持(2001/06/28)
- ビエケス抗議行動参加者たち、釈放(2001/06/30)
ビエケス抗議行動参加者たち、釈放
アソシエーティッド・プレス
2001年6月30日
ニューヨーク6月29日、プエルト・リコのビエケス島における海軍の爆撃演習に対する抗議行動に参加したかどで37日間収監されていた3人の政治家たちは、本日の自分たちの釈放を祝福するとともに、闘いを継続する決意を明らかにした。
「私は何も、海軍に今日ビエケスから出ていってくれと言っているのではない」と、民主党ブロンクス地区議長のロベルト・ラミレス氏は釈放後の会見で語った。「私が海軍に要求しているのは、ビエケスでの爆撃を今日やめろ、ということだ。」
ラミレス氏、州議会議員のホセ・リベラ氏、市議会議員のアドルフォ・キャリオンJr氏の3人はVサインをかげながら首都拘置所から出てきた。
彼らは不法侵入のかどで40日間の禁固刑を言い渡されていたが、受刑態度良好のため早期に釈放。もう一人の抗議参加者アル・シャープトン師は前回の市民的不服従行動でも逮捕歴があるため90日間の刑で収監されている。
およそ1ヶ月に及ぶ水だけのハンストの後だけに、少しやせて疲れのみえるラミレス氏は「シャープトン師が釈放されるまで、合衆国海軍がビエケスの爆撃を止めるまで、私たちはまだ自由ではない」と語った。
ブッシュ大統領はビエケスでの爆撃演習を2003年5月までに終了させるとの発表を2週間前に行った。しかし島では爆撃の即時停止を求めて抗議行動が続いている。
海軍大臣、ブッシュ大統領のビエケス爆撃演習終了の決定を支持
バーノン・ローブ
ワシントン・ポスト
2001年6月28日
海軍大臣ゴードン・R・イングランド氏は昨日、プエルト・リコのビエケス島の爆撃演習を放棄するとのブッシュセイケンの判断を擁護した。この決定に対して連邦議会では共和党、民主党ともに、政治的目的のために国家安全保障ををもてあそぶものだとして批判が集中している。
下院国防委員会での証言でイングランド氏は、海軍は11月6日の住民投票で負けるだろうとの見通しを示した。この投票では9500人のビエケス住民に対し同島の船舶、航空機、水陸両用車両をもちいた演習による使用継続に対する意思が問われることになっていた。「撤収の決定がビエケスの有権者によって下されるよりは、海軍省自身によってなされたことは喜ぶべきことだ」と彼は語る。
ソロモン・P・オルティス議員(民主党、テキサス州選出)は、メキシコ湾沿岸の彼の選挙区内の個人所有土地、22万2千エーカーの放牧地を、ビエケスの代替地として使用できる可能性を示唆したが、同地区の住民との「合意形成」にはなお時間が必要ともしている。同委員会議長のボブ・スタンプ議員(共和党、アリゾナ州選出)はイングランド氏や、ポール・ウォルフォビッツ国防副長官に対し、ビエケスを放棄することで軍の戦時即応性を危険に曝していると非難した。スタンプ氏はまた、この決定が「世界中の演習施設で、合衆国軍隊の撤収を求める他の国や地域の要求を刺激することになるのではないか」との懸念を示した。
ブッシュ政権は6月15日、議会に対して、クリントン政権がプエルト・リコ前知事のペドロ・ロセッジョ氏と交わした合意の一部として予定されていた住民投票を取りやめるよう要請した。同合意ではビエケスに対する連邦政府からの経済振興予算4千万ドル、もし投票結果が海軍の爆撃演習場使用を認めるものであったならさらに5千万ドルの予算がおろされることになっていた。
アイク・スケルトン議員(民主党、ミズーリ州選出)は、行政府のこの決定はヒスパニック系市民の票を引き寄せたいという欲望に基づく政治的な御都合主義に過ぎないとする。ジーン・テーラー氏(民主党、ミシシッピ州選出)は、さらに、ビエケスにリゾート建設を期待している大企業を利するような形でヒスパニック系の有権者に迎合しているとして、クリントン、ブッシュ両政権を非難している。
「くだらない駆け引きだ。そしてその駆け引きが国家安全保障を害している」とテーラー氏は述べる。
テーラー氏はまた、イングランド氏に対して、海軍が住民投票で賛成を得るための努力を怠ってきたと発言。今月の世論調査によると、ビエケスの有権者の中で海軍の支持率は39パーセントで、増大傾向にあるとのことである。
海軍の爆撃演習再開、「静かな」抗議行動
プエルト・リコの演習場、不法侵入容疑で14人が拘束
ジョン・マリノ、スー・アン・プレスリー
ワシントン・ポスト紙専属
2001年7月19日
ビエケス、プエルト・リコ、7月18日。海軍は本日、人口9000人のこの細長い島の、海軍所有地に対して、不活性弾の投下を開始した。いつものような大規模な抗議行動や、逮捕劇は見られなかったと海軍の担当者は語る。
「抗議行動に関していえば、それはとても静かでしたよ。私たちとしては、海兵たちを訓練することができてとても満足です。」キャサリーん・グッド副司令官はこう語った。
先週、ブッシュ大統領は海軍がその60年に及ぶ駐留、2年前の民間人警備員の演習中の死亡事故以来ますます戦闘的な抗議行動の対象となってきたその駐留をついに終了して、2003年までにビエケスから撤収することを明らかにした。2年前の事故以来、海軍は爆発物を含まない模擬弾に切り替えていたが、島は一丸となって、住民の健康と環境に対する危険を主張して演習に反対してきた。
14人の人が海軍のキャンプ・ガルシアに不法侵入したかどで拘束され、連邦保安官に引き渡されたとグッド氏は述べる。4月27日から5月1日にかけて実施された前回の演習においてはアル・シャープトンし、ロバート・ケネディJr氏を含む187人が逮捕され、連邦法の不法侵入罪で起訴されたが、その際海軍の係員による職権濫用があったと取りざたされている。
今回はそのような事件はありませんでしたとグッド氏は述べる。「(被逮捕者は)みんな協力的で、氏名を明らかにしてくれました。」
公民権活動家のジェシー・L・ジャクソン氏の妻で「虹の連合・PUSH」の副代表のジャックリーヌ・ジャクソンさんも、キャンプ・ガルシアの正面ゲート前で抗議行動に参加し、逮捕された一人だ。海軍の駐留がいかに島民の生活を害しているかを伝えようと、日曜夜の集まりに参加したおよそ100人の住民の前で、彼女は「あなたたちの闘いは正義の闘いです」と語った。
抗議行動のリーダーたちは、ブッシュ氏の発表後、運動は目標を失ったとの見方を否定する。「電話もファックスもeメールもたくさん来ますし、プエルト・リコ全土からたくさんの人々がやってきます。」キャンプ・ガルシア入り口に通りをはさんで面している貸し家に作られた「平和と正義のキャンプ」の組織者の一人ニルダ・メディーナさんはこう言っている。「まだまだ熱気がありますね。市民的不服従の行動について私たちは、さらに戦略的になっていくでしょう。」
リーダーたちによるとおよそ30人の抗議者たちが今日、海軍に演習の延期あるいは中止をさせるために、キャンプ・ガルシアの立ち入り制限区域に侵入することに成功したとのことだ。海軍当局者によると、着弾地付近には不法侵入者は発見されなかったし、本日数時間にわたって演習が延期されたという抗議行動側の主張については、これを否定した。
「彼らが爆撃できない時間が、一時間でもあれば、それは私たちにとっては勝利なのです。」前回の演習時に演習場に侵入して2週間にわたって収監されていたイスマエル・グァダルペ氏は語った。
海軍はビエケス島の爆撃演習場でF-14トムキャット、F-18ホーネット、EA-6Bプラウアーなどを用いた空爆訓練を今週いっぱい実施し、1500発ほどの模擬弾を投下する予定。しかし通常演習の中心部分をなす艦砲射撃訓練は行わないもよう。プエルト・リコ政府は、射撃訓練は新たに施行された騒音規制に違反するとして海軍に対し訴訟を提起している。
先週公海上で開始された演習には、11隻の船舶と1万人の兵員を擁するUSSセオドア・ルーズベルト艦隊が参加している。
ビエケスの特派員マリノの報告を受け、プレスリーがマイアミから、お伝えしました。
ビエケス閉鎖の発表に、軍、連邦議会は遺憾
ブッシュ氏の決断に「激怒」、「裏切り」、政治的御都合主義との批判集中
マイク・アレン及びロベルト・スーロ
ワシントン・ポスト
2001年6月15日
プエルト・リコのビエケス島での爆撃演習を2003年に終了させるとのブッシュ大統領の発言は、軍の担当者たちにとっては裏切りと受け止められ、議会の共和党員は反発をあらわにしている。
軍事委員会議長のボブ・スタンプ下院議員(共和党、アリゾナ州選出)は他の20人の共和党議員とともに、ブッシュ氏に対し、演習の中止は「われわれの軍隊を、実戦に対する十分な準備のないまま前線に送り出すことに」なり、「きわめて遺憾」であるとの手紙を提出した。
もし、海軍がビエケスから撤収したら、韓国や沖縄やその他世界中のあらゆるところから、演習に対する反対運動が噴出するだろう、と委員会の主要メンバーであるジェームス・V・ハンセン下院議員(共和党、ユタ州選出)は他の共和党議員との共同記者会見の席上、こう語った。「彼らになんと説明するのだ?私たちの国では爆撃演習はやめる。でもあなたの国ではやる、とでもいうのですか?」
海軍及び海兵隊の担当者は、なんら事前の問い合せがなかったことに対して不満をもらしており、「激怒した」、「見捨てられた」、「裏切りだ」などの強い言葉も飛び出した。ある高官は、匿名を条件にではあるが、軍事的な即応性を犠牲にして、政治的な取引を行っているとホワイト・ハウスを非難した。
ビエケス島は、演習場の「秘宝」と海軍が表現するぐらいに、大西洋艦隊にとって空爆および艦砲射撃に支援された水陸両用車両による上陸演習を実践し得る唯一の場所である。太平洋艦隊は同様の演習をカリフォルニア州沿岸域の無人島で行っている。海軍の演習に対する抗議行動は過去十年の間に何度か盛り上がりを見せたが、2年前に演習場の警備員が誤爆により死亡して以来、勢いを増している。
行政府の突然の変節以前は、ペンタゴン(国防総省)の立場としては、11月に予定されている住民投票において海軍の引き続く駐留に対する支持が得られるよう、9,500人のこの島の住民に対して説得を行うというものだった。この住民投票というオプションはクリントン政権時に合意に達していたものだ。さらに、海軍にとってビエケス島は、ペルシャ湾を通って行き来する艦隊の演習場として、代替不可能な演習場だと主張している。
ブッシュ氏は昨日、スウェーデンのグーテンベルクでの記者会見の席上で、この決定を発表する際、全く異なった見解を示した。
「海軍は、数々の理由から、別の演習場を探す必要にせまられています。一つには、過去において人民に対する侵害が行われてきたこと。また、われわれの味方であり隣人である人々が、われわれの駐留を望んでいないことです。」と彼は語った。そして海軍が別の演習場を見つけることができること、そして平和維持のための即応性を維持できることについて自信を示した。
いつもは忠実な議会の共和党員たちも今回は大統領に対する不同意を率直に示している。
ジェームス・M・インホフェ上院議員(共和党・オクラホマ州選出)は「私は世界中あらゆる可能な、考え得る限りの代替地を探してきた」と語り、ビエケスに替わる演習場は有り得ないと主張する。「これはアメリカ人の生命に関わる問題なのですよ。」
「11月の住民投票が予定通り実施されるよう、法の改変が行われないよう、私の権限の範囲内でできることはすべてやります。」とインホフェ氏は付け加えた。
民主党、共和党を問わず批判者からは、この決定はヒスパニック系の有権者、とりわけこの間ビエケス島からの海軍の撤収を求めて活躍している数少ない共和党員の一人、ニューヨーク州知事ジョージ・E・パタキ氏に対する政治的な懐柔だとの見方が出ている。
共和党の担当者が語ったところによると、今回のブッシュ氏の決定は、2004年に再選をねらう同氏のヒスパニック票集めの一環のように思われるとのことだ。「過去に有権者に対して何もしてくれなかった人に対して投票するわけがありませんからね。」と彼は語る。「しかもパタキ氏はその選挙区では大きな票を持っているんです。」
政治的な配慮が今回の決定の背景にあるとの見方をホワイト・ハウス筋は否定する。今回の決定は海軍が新たな演習を開始する月曜日にも予定されている抗議行動を沈静化させるため、抗議者たちが『更に危険地域に入らないようにするため』に急遽発表された、とのことである。
この決定は水曜日にもホワイト・ハウスでのブッシュ氏とその有力な補佐官であるカール・C・ローブ氏、海軍書記官ゴードン・R・イングランド氏との会見で、最終的なものになる。イングランド氏が国会で議員に報告を行った際、情報が漏れた。軍事筋によると、ペンタゴンの制服組の高官達は寝耳に水であったとのことだ。
ドナルド・H・ラムスフェルト国防長官は昨日、論争から距離を置く姿勢を示し、今回の決定に対しては通り一遍の承認を与えるにとどまった。ビエケスにおける演習の継続を求める彼の長年にわたる闘いをなぜあきらめてしまったのかとの質問に対しては、「この問題に関しては海軍長官が、副長官のポール・ウォルフォビッツ氏とともに担当している。彼らはなかなかいい仕事をしており、私は彼らのやり方を信頼しているよ」と記者に語った。
パタキ氏は、ビエケス問題に関して火曜日にホワイト・ハウスでローブ氏と会談を持ったが、これまでも精力的に行政やペンタゴンに対してこの問題に関して働き掛けてきた。彼はブッシュ氏の就任式においてはプエルト・リコ知事のシラ・カルデロン氏と同席していたし、この3月には州議会議員と地域リーダーたちを率いてビエケスを訪問したりもした。
パタキ氏の広報担当マイケル・マケオン氏は、知事はビエケス問題が「人権問題、すなわち、その裏庭に爆弾が降り注いでくるような暮らしを決して求めていないアメリカ市民が存在するという問題なのだ」と考えていると述べた。
主要な軍事関係者の間では、ブッシュ氏の意図について疑念を挟む声がもう一月以上も前、来る11月の住民投票で海軍に対する好意票を獲得するためのさまざまな海軍の施策を、ホワイト・ハウスが阻止しはじめた頃から出はじめていた。
クリントン政権との間に締結された合意に基づいて、海軍はビエケスの経済と生活水準を改善するための公共事業に4千万ドルを支出することが決定していた。しかしブッシュ政権は6百万円の資金についてしか使用を認めなかった。行政には住民投票に勝つ気がないのだという印象を受けていたと高官たちは語っている。
2001年6月22日
市民的不服従行動への緊急の呼びかけ
合衆国海軍は来週も爆撃演習を継続すると宣言している。現在までのところおよそ50人の人々がビエケス島の海軍による立ち入り禁止区域内で逮捕されている。私たちの仲間たちの行動によって、今週一週間の爆撃演習が阻止されてきた。海軍は私たちの島に撃ち込むことを予定していた1800発の爆弾のうち、たった100発しか使用していない。
平和を愛し、市民的不服従行動に参加する用意のあるすべての人々に呼びかける。できるだけ速くビエケスに来てほしい。ビエケスの平和を守るため、私たちの隊列に加わってほしい。
http://dailynews.yahoo.com/
2001年6月14日
ブッシュ大統領、合衆国海軍のビエケスでの演習の終了を表明
チャールズ・アルディンガー
ワシントン(ロイター)ブッシュ大統領は火曜日、合衆国海軍はプエルト・リコ沖合いのビエケス島における懸案の演習問題について、半世紀にもわたる当地における爆撃と射撃の演習を継続させるための、厳しい闘いをあきらめ、その演習を終了させることを表明した。
スウェーデンのグーテンベルクにおける記者会見で、ブッシュ氏は国防総省及び海軍が、プエルト・リコ政府指導者などの反対派に対して譲歩したこと、そして「合理的な期間の間に」代替地を探す努力を始めたことを、賞賛した。
大統領は具体的なスケジュールについて明らかにしなかったが、ワシントンの政府筋はロイターに対し、11月に行われる軍の演習の継続の是非を問う住民投票の結果に関わらず、2003年5月までに演習を終了すると述べた。
「演習を行うための代替地を探さなければならない理由が、数多くあるだろうというのが私の考えです」ブッシュ氏は、欧州連合との会談の後の質疑の場で語った。
「ひとつは、過去において住民に対して被害を生じたという事実。二つ目は、われわれの友人であり、われわれの隣人であるこれらの人々が、われわれの駐留を望んでいないということです。」「国防省及び海軍がこれの応じて、平和維持のための即戦力を維持すべき演習を実施すべく、合理的期間内に代替地を見つけるとの声明を発表したことに対し敬意を表します。」
ラムスフェルト氏は多くを語らず
ワシントンでは、国防長官ドナルド・ラムスフェルト氏は、記者の質問に対しこの問題の詳細を明らかにすることを拒んだ。これらの問題は国防副長官ポール・ウォルフォビッツ氏及び海軍大臣ゴードン・イングランド氏が担当するとした。
海軍の高官や議会からの反対意見にもかかわらず、ブッシュ氏はあっさりと政治的決断をし、何十人もの逮捕者を出すようなビエケスにおける厳しい反対運動に対して譲歩を示したとして、ラムスフェルト氏はこの決断に対する支持を示した。
「大統領、国防副長官、海軍大臣とは完全に合意している。これ以上はっきりした話はないと思うが、」とラムスフェルト氏は報道陣に語った。
この決定が、沖縄などの他の合衆国軍訓練施設における抗議行動に影響を与えるのではないかとの質問に対して、彼は否定した。
上院多数派のリーダー、トム・ダッシュル氏(サウス・ダコタ州民主党)は、プエルト・リコに関する今回の行政庁の決定について事前の報告がなかったことに失望をあらわにしている。
しかし、ダッシュル氏は「いまや政府は爆撃を止める意思を示し始めたのだから、よい方向への一歩であるとは言える」としている。
「ヒスパニック系議員の幹事会もわれわれの幹事会と今朝、会談したが、彼らの誰一人として連絡を受けているものはいなかった」とのことである。
「プエルト・リコでも誰も知らされていない。民主党の指導部は誰も知らされていない。だからわれわれにとってこれは驚きだ。彼らの決定の内容について現在検討中だ」とダッシュル氏は語る。
国防省関係者の一人は、匿名ではあるが、現在予定されているビエケスにおける年間90日以内の演習は2003年まで継続されるだろうことを、強調した。
爆撃の即時停止を求めている反対派にとっては、これは満足のいくものではない。
海軍はビエケスにおける爆撃演習を60年間にわたって実施してきたが、近年プエルト・リコ人や環境保護団体から、ますます激しい抗議を受けてきていた。
プエルト・リコ知事は演習中止を求めている
プエルト・リコ知事のシラ・カルデロン氏は、演習がただちに、かつ永久的に停止されることを要求している。
彼女は水曜日、7月に実施される海軍のこの小さな島への駐留の是非を問う住民投票の法案に署名するとともに、この問題に関して9300人のビエケス島民への連帯を示すためにビエケスに向かった。
しかし、海軍が2003年にビエケスから撤収するとなればこの住民投票も意味を持たないことになりかねないが、それも海軍がいかに迅速に撤収を計画するか、又早期撤収への要求が大きいか否かにかかってくる。
海軍がこれまで予定していた11月の住民投票は、これでおそらく実施されないであろうことになった。この投票はビエケスの住民に対し、海軍は2003年5月に撤収し土地を返還するが、それまで模擬弾による演習を認めるか、それとも実弾による演習を永久に続けのを認めるかの決定を委ねるものだった。
今回の演習はビエケス沖の海域で水曜日に開始されたが、プエルト・リコ当局によると爆撃演習は月曜日までは実施されないとのことだ。
プエルト・リコ沖の3万3千エーカーのこの島の東海岸を爆撃演習場として海軍が使用することに対しては、とりわけ2年以上前、一人の民間人警備員が誤爆によって死亡して以来、広範な抗議行動が行われてきた。
合衆国軍隊の戦時即応性にとって、この爆撃訓練は死活的重要性を有すると海軍は主張する。しかし、住民は演習は彼らの健康と、この島の空気水質等の環境を害してきたと主張している。
4月に実施された演習の際は、およそ180人の抗議者が海軍所有地に侵入したかどで逮捕され、これらの抗議者が着弾地に入ったことから、演習が数回にわたって中断された。
ビエケスの救援と発展のための委員会
bieke@coqui.net
2001年6月13日
平和と正義のキャンプからのレポート
昨夜私たちは、4月の演習以降初めて軍用機の音を聞いた。夜11時ごろジェット機がビエケス上空を飛ぶのが聞こえた。夕方の6時ごろにはおよそ200人のプエルト・リコ警察の警察官たちが、海軍基地キャンプ・ガルシアの入り口、つまりこの「平和と正義のキャンプ」前に到着。彼らは隊列を組んで行進、海軍基地のフェンスにほぼ平行に走っている道路のルイサ・グアダルペ通りまで、阻止線を張った。警察の担当者は自分たちは、海軍のフェンスを守るために配備されていると言っている。4月の抗議行動ではずいぶん大規模にフェンスが切られてしまったから。「平和と正義のキャンプ」に詰め掛けていた人々は、こんな大げさな警察の動員、特に海軍の護衛のためにプエルト・リコの警察を使うことへの嫌悪を表明していた。
さて、本日6月13日、嵐の前の静けさ。警察の職員たちが民間人地域の道路から海軍のフェンスを監視している。フェンスの向こう側では、このフェンスを「守る」ために配備された、乱闘服を着てガスマスクをして盾を持った兵士たちの数が段々増えてくる。
本日午前9時より、24時間にわたって、いつでも参加できる「ビエケス連帯・バーチャル・シットイン」にあなたもどうぞ!
http://www.freespeech.org/provieques
今夜、「平和と正義のキャンプ」にて全キリスト教的な集まりを持つ。宗教指導者や地域活動家たちは、これから18日間にわたる海軍の演習、その暴力性、その挑発に対して対決するために、精神的な準備をするために集まるのだ。
現在までのところ海軍は漁民に対して危険についての予告、島の東端における制限海域に着いての警告を発令していない。爆撃が開始される48時間以上前にこれらの警告発令が義務づけられているのだ。
知事、シラ・マリア・カルデロン氏は、私たちがこのレポートを書き終えている頃ビエケスに到着しているはずだ。現下の情勢についての意見の交換とともに、われわれの抗議行動に対してプエルト・リコ警察を警備に用いていることに対して抗議するために、われわれは彼女と「平和と正義のキャンプ」における会見を要求している。
ビエケスの救援と発展のための委員会
P.O. Box 1424 Vieques, Puerto Rico 00765
Telefax 787 741-0716 E mail:bieke@coqui.net
2001年6月11日
正義の平和のキャンプの声明
わが人民は合衆国海軍が6月13日に開始すると発表している爆撃に対してこれと対決する用意ができている。数度にわたって私たちの仲間が海軍の演習を阻止した4月の時と同じように、来るべき演習においても、我々は軍隊が執行する、「自由」の名において行われる私たち人民の隷属化、民主主義を「防衛する」と称する、我々に対する人権侵害に対して、ふたたび抵抗する。もう後戻りはない。市長、司教、女性たち、青年、漁民、手短に言うならばわが人民は、こう決めたのだ。
合衆国海軍はこれから先、地域の人々による平和的かつ市民的不服従行動に直面することなく、ただ一発の爆弾も発射できないだろう。数百人のプエルト・リコ警察の脅迫、催涙ガス弾であろうが、ゴム弾を仕込んだ短銃であろうが、自由で健康なビエケスを次世代のために保証するために、自らの未来を掌握し始めたこれらの人民を手なずけることはもはやできない。
過去3週間にわたってプエルト・リコ本島とビエケスにおいて市民的不服従行動に関するワークショップとオリエンテーションが行われた。
「プエルト・リコ弁護士会」、「すべてのプエルト・リコはビエケスとともに」、「全国オスタシアーノ会議」、「正義と平和のためのカリブ海プロジェクト」、「ビエケスに連帯する法学生の会」は「ビエケスの救援と発展のための委員会」と協力して、「ビエケスにおける市民的不服従行動のための実践マニュアル」というハンドブックを作成した。わがルス・ネレイダ・ペレスなど、本島の同志たちは、去る金曜日に「正義と平和のキャンプ」に集まってこのハンドブックの内容や、ワークショップのやり方について議論を重ねた。「フベンタード・ビエケンセ・ウニーダ(ビエケス青年連合)」の6人のメンバーが、私たち自身の昨年8月の逮捕という経験について、また次なる不服従活動家を育てるためのパンフレットの内容についても、語り合った。
プエルト・リコのメソジスト派教会の司教フアン・ベラ氏と同教会のビエケス布教100周年記念のために今週の行動に参加した数多くのメンバーたちはこの土曜夜の集会の特別ゲストであった。ベラ司教はメソジスト会議で全会一致で採択された、ビエケスの平和を求める市民的不服従の闘いを支持する決議を読み上げた。音響映像の専門家であるアンドレス・ニエベスさんのおかげで、集会の最中には3本の電話による連帯メッセージをライブで受け取ることができた。最初の電話はエルネスト・ペロからのもの。彼は芸術家にして、技術者、ビエケス出身で現在も収監中である。彼自身の元気なメッセージに加えて、ペロは連邦刑務所にいる他のビエケス人の市民的不服従による囚人たち、パコ・サルダーノや、プエルト・リコ独立党党首ルーベン・ベロス氏からのメッセージも伝えてくれた。
2本目の電話はインディアナの「キリスト教平和形成チーム」から。そこでは我々の集会にあわせて同時進行で集会が持たれている。このグループの4人のメンバーに対して今月28日に、4月の演習に際して海軍の制限地域に侵入した容疑による裁判が行われる。3番目の電話はブランシュ・リベラさん、ニューヨーク州議会議員ホセ・リベラ氏の奥さんからのものだった。ホセ・リベラ氏はニューヨークにおいてビエケスのためにみずから犠牲を払って闘っている「ビエケス・カルテット」の一人だ。「ビエケス・カルテット」のほかの3人はアル・シャープトン師、ニューヨーク市議アルフォンソ・カリ**氏、ブロンクスの民主党地区委員長ロベルト・ラミレス氏だ。
ブランシェさんはこれら収監されている4人の健康状態、意気の高さについて、そして彼らがビエケスの闘いに対して示している断乎たる決意について語った。
以下の場所に手紙を出して下さい。
グヤナボ首都刑務所(サン・フアン)
MDC Guaynabo
PO Box 2147
San Juan, PR 00922-0692147
ビエケスの平和のために収監されている人々の氏名の全リストは、
viequeslibre.orgを見ていただくか、私たちにメールでお問い合わせ下さい。
「ビエケスの救援と発展のための委員会(CRDV)」は、ビエケスの不服従行動で捕まった被逮捕者たちの家族の方々が毎週連邦刑務所で面会し、その日のうちにビエケスに戻ってくることができるよう、交通手段を用意したり費用を負担したりしている。また、電話や日用品の購入など、刑務所内での出費に備えて資金を積み立てている。私たちはまた連邦刑務所の外に、プエルト・リコ独立党と大学生たち、「ビエケスの友」、「カロリーナ・ジャイアンツ」が設営しているキャンプに隣接して、支援キャンプを作った。
被逮捕者の救援のためにキャンプを維持すること、このキャンプでの活動のためにビエケスから人を運ぶこと、これらの闘いのために更なる資金が必要です。金銭及び物資の形での「平和と正義のためのキャンプ」へのカンパを重ねてお願いします。
ロバート・ラビン(CRDV)