1. ビエケスの未来を決する、プエルト・リコ住民投票(2001/07/29)
  2. ケネディ氏、服役を終えてふたたびビエケスへ(2001/08/02)

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ビエケスの未来を決する、プエルト・リコ住民投票

ジョン・マリノ
ワシントン・ポスト
2001年7月29日

プエルト・リコのビエケスで、7月28日(日曜日)に実施された住民投票は、合衆国海軍がこのプエルト・リコの島での爆撃演習を直ちに終了するか否かのめぐるものであったが、連邦政府に対して拘束力をもつものではなく、また、非現実的なオプションが含まれているとの批判も出ている。
しかしほとんどの住民は、過去60年間にわたって実施されてきた海軍の演習に対して、住民の意思を表明投票プロセスによって表明しうるはじめての機会に際して、きわめて意欲的に投票所につめかけた。
「長年にわたって無視されてきたけれども、私たちはついに自分たちの声を聞かせることができるんです。」ヤシェイ・ロサリオさん(33歳、建築家)は語る。
「海軍はここではいつもまるで地主みたいに振舞ってきました。ついに年貢を収めるときがやってきたんです。」
この住民投票は、海軍がビエケスから早期に撤収するよう、シラ・カルデロン知事率いるプエルト・リコ政府がブッシュ政権に対してプレッシャーを加えるためにとって来た一連の政策の一環である。ブッシュ政権は2003年5月までに海軍に対して同島から撤退するよう命ずるであろうことを明らかにしている。
水曜日、合衆国自治領としての地位獲得の記念日を祝う演説の中で、カルデロン氏はブッシュ氏の決断は、ビエケス問題に関して「プエルト・リコが主張してきたことの正しさを再確認するもの」と表し、住民投票によってその声がワシントンに届くよう、市民に投票を呼びかけた。
民主党全国委員会議長のテリー・マコーリフェ氏は金曜日の当地での集会で、ビエケス住民に対して同様の呼び掛けを行った。
「日曜日にはみなさんが強力なメッセージを発信することになるだろう、そしてそれを受けて我々は月曜日にもホワイト・ハウスに対して断乎たるメッセージを送るだろう。一人でも多くの方が投票して下さい、そしてお知り合いにも投票を呼びかけて下さい。」とマコーリフェ氏は語った。
この住民投票は海軍に対してただちに爆撃を中止し、その所有する土地を浄化して返還することを求める選択肢を含んでいるてんで批判を受けている。連邦政府が11月に実施する予定であった住民投票、ブッシュ政権はこれを撤回しようとしているが、そこでは住民には2003年5月までに海軍が撤収すること、もしくは5千万ドルの経済振興予算と引き換えに無期限駐留を認めることという2つの選択肢が与えられているに過ぎない。経済振興に関する海軍の努力についての言及がない点でも、今回の住民投票は批判を受けている。
しかし、この住民投票に対して批判的な見解を持つ人もまた、住民に対しては投票への参加を呼びかけている。2人の強力な親海軍派、ジェームス・M・インホーフェ上院議員(共和党・オクラホマ州選出)とジェームス・V・ハンセン下院議員(共和党・ユタ州選出)も先週地方紙に掲載されたコラムの中で、海軍に反対票を投ずることはプエルト・リコの合衆国からの独立につながると住民に呼びかけている。
一方海軍当局は議会が承認した4千万ドルのビエケス社会経済振興予算の支出に手をつけはじめた。この数日の間に、事業開始や事業拡張に際しての2万5千ドルの融資の申し込み受付が、また一日あたり100ドルの漁民に対する演習による休業補償の支払いが開始された。
海軍広報官キャサリン・グード副司令官はこれらのプログラムが住民投票の時期に合わせて実施されたのではとの憶測を否定し、これらの計画はペンタゴンがごく最近になって資金を解放したので実施されることになったに過ぎないと語っている。
「我々にできることは、できる限りよき隣人でありつづけることに過ぎません。月曜日になったからといって何かが変るわけじゃありません。」と彼女は語った。
ビエケスには5893人の有権者がおり、この問題に対する関心の高さから、投票率は高いものとなるだろうと予想されている。
投票の2日前、フアナ・リベラさん(55才、学校教師、州地位獲得派のリーダー)は、島のメイン・ストリートに海軍を支持するポスターを貼り出した。そのポスターはキューバのフィデル・カストロの写真をあしらったもので、「フィデル・カストロはあなたが選択肢の2を選択することを求めている」との文字が入っている。選択肢の2とは、海軍の即時爆撃停止を求めるものである。
「誰でも間違いは犯します。それを訂正する機会がすべての人に与えられるべきです。」とリベラさんは語る。
彼はまた、反海軍派の運動はプエルト・リコ独立派や社会主義者であふれていると非難し、もしプエルト・リコが海軍の撤収を求めたならば、連邦政府はプエルト・リコに対する振興予算の支出を打ち切ってしまうだろうと予測する。
「フィデル・カストロにここにいてほしいとは思いません。」と彼は語る。
しかし、このような主張はそれほど支持を得てるようには見えない。
「これは分離主義者の運動ではなく、人民の運動なのです。」とジミー・ソトさん(44才、食料品店主)は言う。彼はまた、州地位獲得、自治領維持、独立の立場に関わらず、誰もが海軍の爆撃終了を求めているとも付け加えた。
「日曜日はお祭り騒ぎでしょうね。海軍はついに、私たちが彼らのことをどう思っているかを知ることになるのです。」
ビルジニア・ナバロさん(68才)は、島の中心街であるイサベル・セグンドの中央広場で行われた反海軍集会に参加した数百人の住民の一人。
「昔は海軍の文句を言うのにも気を配ったものです。共産主義者だって言われるんじゃないかってね。でもデビッドさんが亡くなって、私たちは目覚めたんです。」とナバロさんは言う。
彼女が言うデビッドさんの事件とは、1999年4月、演習中の海軍の誤爆によって民間人警備員デビッド・セインズ・ロドリゲスさんが死亡した事故を指す。これを契機にプエルト・リコ全土で、海軍のビエケスにおける演習の終了を求める運動に火が点いた。
「この住民投票の大事な点は、ビエケスの住民だけが投票できることです。私たちがどんな風に感じているかを、全世界が知ることになるでしょう。私たちは過去60年もの間、国防のために貢献してきました。でももうたくさんです。私たちは平和がほしいだけです。」と彼女は語る。

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ケネディ氏、服役を終えてふたたびビエケスへ

アソシエーテッド・プレス
2001年8月2日

ビエケス、プエルト・リコ、8月1日。環境派弁護士のロバート・F・ケネディ・Jr氏は今日、ビエケス島の合衆国海軍所有土地に侵入した罪に対する30日間の禁固刑を終えて釈放された。彼はただちに同島に戻り、爆撃演習場への侵入を計画している抗議行動参加者たちを激励した。 7才になる息子のコーナーちゃんを連れたケネディ氏に同行したのはニューヨークの労働運動の指導者で同じく海軍の土地に侵入した罪で30日間服役していたデニス・リベラ氏。両氏は四月末から五月初めの合衆国軍隊の演習を阻止すべく活動していた。
今朝は焼く、ふたりはプエルト・リコ本島サン・フアン郊外の連邦刑務所前で、「ビエケスに平和を!」のスローガンにあわせてピース・サインを示した。
今週末に実施された住民投票、拘束力のないものではあるが、において68%の住民が爆撃の即時停止を求めていることを表明したにもかかわらず、海軍はビエケス島での演習を木曜日には再開する。
「私たちはプレッシャーを加えつづけることを止めない。」とリベラ氏は語った。同氏は21万人を擁するニューヨーク市の医療労働組合の指導者である。
住民投票では31%の住民が、実弾を用いた海軍の爆撃演習場無期限使用を支持した。これは住民投票を呼びかけたシラ・カルデロン知事の反米主義とも言われる立場に対する抗議票とも見られる。