1. プエルト・リコからの手紙(2001/09/22)
  2. ビエケス抗議行動、失速か(2001/09/30)
  3. 海軍は出て行くべきだ、とプエルト・リコ知事(2001/10/02)
  4. 海軍のヘリコプターに向かって信号弾発射(2001/10/04)
  5. プエルト・リコ知事、ビエケス問題に関して支持を得る(2001/10/10)
  6. ビエケス住民投票、違憲との判決(2001/10/18)
  7. セノンさんとその家族を全面的に支持しよう(2001/11/02)
  8. ビエケス平和と正義のキャンプからのレポート・住民投票があるか否かにかかわらず、市民的不服従行動は継続される(2001/11/01)
  9. ブッシュ大統領の行政命令を求めて、ビエケスの人々が街頭行動(2001/11/06)
  10. 平和と正義のためのキャンプからの報告(2001/11/10)

プエルト・リコからの手紙

ENGLISH

みなさん。こんにちは。

昨夜ブッシュ大統領が、テロ事件のアメリカ以外の国の被害者の数について言及していたので、彼もまたこの添付メール(世界貿易センタービルでの死者がアメリカ国民以外のほうが多いとの報告)を読んだのかと思いました。もちろんこの報告の中には、合衆国国民として記録されている800人以上のプエルト・リコ人の犠牲者がいたこと、その他のラテン系アメリカ人の数については知りようもないことには触れていません。しょせん、私たちは二級市民なのですから。

事態の悲劇的な様相に比して見れば、私たちがこの事実に注意を向けたとしても、ある意味では些細なことに見えるかもしれない。結局のところ、それがどうしたの?でも、依然として残された疑問は、本当のところ犠牲者は誰だったの?どの国民、どの文化、どの人種に属する人々だったの?わたしにとっては、これらはやはり問題なのです。さらに今合衆国全土で今すぐにでも戦争にいくぞと決意している人たちは、犠牲者の大半が彼らとは違う人々だったと分かってもなお、決意は揺るがないだろうか?そうでないような気がしてしまいます。

この事実に彼らが関心があるか否かに関わらず、マスコミの言うところの「アメリカに対する攻撃」に対する彼らの怒りと悲しみは、人間の生命が容赦なく失われてしまったことに対するものであって、とても真実なものです。しかし、このような人々の怒りと、反撃への衝動は、この国が無敵であるという彼らの共同幻想がツイン・タワーもろとも崩壊し、弱さが露呈されてしまったことへの恐怖の感覚により深く根ざしているとも思います。

このような感情、衝撃を私は理解できますし、そのとおりだと思います。結局のところ、私もまた怒りを感じ、反撃への衝動を感じました。ただ私の場合はこのような感情は、ビエケスを爆撃する合衆国の軍隊と、ワシントンにいるその追随者たちや、パナマやドミニカ共和国やエル・サルバドルやニカラグアやハイチやグレナダやチリやコロンビアやイランやイラクやバルカン諸国やベトナムや韓国や日本や、それらすべての国々の人々に対して彼らが行っている国家テロリズムに対してなのですけれど。以下に引用するラリー・モスケダ教授の調査によると、第二次世界大戦以降合衆国の軍隊によってもたらされた死者の数は、ゆうに8百万人を超えるとのことです。

恐怖、怒り、攻撃への衝動、これらは人間が危機に際して感じる自然な、人間的な反応でしょう。それは私たちの爬虫類的な頭脳にきっちり組み込まれているのです。価値、信念、思慮、ブッシュ氏が昨夜の演説で言及した「文明」という同じ言葉で表現されるところのこれらの働きもまた私の前頭葉にはプログラムされていて、そのおかげで私は、この爬虫類系の頭脳の命ずる反応を乗り越えて、他の選択肢を選ぶことができるのです。私は、そしてもちろんここプエルト・リコと全世界の何百万の人々も同じく、その選択肢を選びます。すなわち、平和

プエルト・リコの人々は政治的にも経済的にも、また感情の面でも、合衆国とその国民と分かちがたく結びついています。ですから平和と、合衆国による軍事支配の終焉を求めて闘っている私たちは、先週の恐ろしい事件に対する合衆国の反応が、私たちのビエケスの闘いに及ぼすであろうネガティブな影響をとても心配しています。合衆国海軍はここで9月24日月曜日から戦争の準備を開始します。ビエケスの人々の70%がその駐留の即時かつ永久的な終了を求めてからまだ2ヶ月もたっていないときにですよ。ビエケスではこの月曜日、合衆国海軍は大砲を撃ち、戦闘機を飛ばし、巡航ミサイルを発射し、劣化ウランの弾薬を私たちの頭上に振りまくでしょう。過去60年間にわたって、主要な軍事「作戦」、「正義のための作戦」だとか「砂漠の嵐作戦」だとか、そして今や「無限の正義作戦」、こんなブランドネームで上手に売り込んできた軍事「作戦」の度ごとに、同じ事が行われてきたのですから。

私たちは、合衆国の人々と悲しみを共有し、喪に服するために市民的不服従行動を一時中断しています。しかし空母USSジョン・F・ケネディが私たちの土地と海に対して解き放っている暴力、それは、アフガニスタンであれどこであれ彼らが容認できる標的として最終的に選ぶであろう土地に住むイスラムの兄弟姉妹たちに対して遥かに大規模な形で浴びせようとしている暴力の準備なのです。この時にあって私たちは、平和のための闘いを継続する別の形態を求めなければなりません。私たちは、世界中の何百万もの人々と同じく、攻撃、ガン、破壊に対して抵抗を続けます。恐怖、怒り、絶望と、自衛のための反撃の衝動に対してさえ、闘い続けます。これらの衝動こそがいつも、私たちの規律ある行動、私たちの平和への展望、そして私たちの自己決定への道程を掘り崩してしまうかもしれない、ただ一つの脅威だったのですから。

そして私たちは合衆国に住む友人たち、例えばあなたに、呼びかけ続けます。あなたの政府が、ここビエケスであれ、ニューヨークであれワシントンDCであれ、アフガニスタンのどこかであれ、およそ世界中のどこであれ、自ら手を下して「小売り」するにせよ、誰かにさせて「卸し売り」するにせよ、かかるテロリズムの狂気のサイクルを終わりにすることを要求してください。



平和のために

添付


ENGLISH

海軍は出て行くべきだ、とプエルト・リコ知事

アソシエーティッド・プレス
2001年10月2日

ワシントン。プエルト・リコ知事は火曜日、現在下院で棚上げされている延長を認める法案の如何に関わらず、海軍は2003年までには必ずプエルト・リコの爆撃演習場での演習を終了させるべきだと語った。
ワシントンDC訪問中の記者会見で、シラ・カルデロン知事は11月に予定されていた、海軍の駐留継続を認めるか否かを問う住民投票を中止するとのブッシュ大統領の決定を支持すると語った。
彼女はまた、海軍の撤収につき、はっきりした日程を設定することを求めた。ブッシュ大統領は9月11日のテロ攻撃の以前は、2003年5月までに演習を終了すると述べていた。
しかし下院は昨週、適当な代替地が見つかるまで海軍の駐留を認める国防法案を通過させた。下院及び上院はまもなく妥協案を提示するであろうとされている。
カルデロン氏は、ビエケスを海軍と海兵隊に無期限に使用させようとする議会内の一部の動きは「現実的な脅威」であるとした。「現実的な危機がビエケスの頭上に覆い被さっている。私たちはそれを受け入れることはできない」と彼女は語った。
海軍はビエケス島の東端を60年間にわたって、爆撃演習を続けてきた。第二次世界大戦から湾岸戦争に至るまでこうして海兵を紛争に備えて訓練してきたのだ。爆撃演習は環境を破壊し、9100人のビエケスの住民の健康を害していると反対派は主張するが、海軍はこれを否定してきた。
合衆国自治領であるプエルト・リコにとっても、先月の世界貿易センターとペンタゴンに対するテロ攻撃以降、状況は変ってきているということを、すべての関係者は認識する必要があるとカルデロン氏は言う。
「劇的に変化した現実、すなわちテロリズムに対決する国民的団結というものに私たちの立場も基礎付けられなければならない」と彼女は語った。
7月に実施された拘束力のない住民投票では、68%のビエケス住民が海軍の即時撤収を求めた。

ENGLISH

ビエケス抗議行動、失速か

リリアン・イリザリー
アソシエーティッド・プレス
2001年9月30日

ビエケス、プエルト・リコ。何百人もいた抗議行動参加者は20人に減った。世界の注目を集めた騒がしい抗議行動は、静かな祈りの集まりに姿を変えた。
合衆国に対するテロ攻撃は、ここでも合衆国海軍のビエケスでの爆撃演習を止めさせようとする運動の矛先を鈍らせ、その勢いを失わせ、団結にひびを入れつつある。
「テロ攻撃はこの運動に関わってこなかった人々にとって、それを止めさせるのに格好の口実となりました」、当地の反海軍運動の指導者の一人、シクスト・ペレス氏は語る。
9月11日の事件以降初めての爆撃演習が始まる日曜日、海軍のキャンプ・ガルシアのゲート前に集まった抗議者たちは、いつになく静かだった。約10人ほどが集まった。
土曜日、およそ20人の人たちがキャンプに集まり、祈りのために頭を垂れた。一人の女性が「海軍は出て行け!」と叫んだけれども、呼応する人はいなかった。
これまでの演習に際しては何百人もの人々が海軍に反対するスローガンを叫び、基地のフェンスを乗り越えていった。海軍の演習中の誤爆事故でプエルト・リコ人の警備員が死亡した1999年以来、何百人もが逮捕され、不法侵入のかどで収監された。
抗議行動に参加しているほとんどのグループは、世界貿易センターとペンタゴンの事件以降は、多くのプエルト・リコ人を含むその犠牲者に対する弔意を表明するためにも、海軍用地への侵入行動を控えることに合意している。
ペレス氏もその一人だが、この決定に不満を表明する人もいる。
通常はビエケス関連の記事でいっぱいのプエルト・リコの地元紙も今回はほとんど触れていない。海軍の爆撃に反対の立場の自治領知事カルデロン氏も多くを語らない。
約1万2千人の海兵が今回の演習に参加して、このカリブ海に浮かぶ島の演習場に向かって、ジェット機からは爆発性のない爆弾が投下され、船舶からは不活性弾が撃ち込まれる。警備員の死亡事故以来、海軍は不活性弾薬に切り替えている。
金曜日にはなにものかが基地のフェンスを切ったが、テロ事件以来、抗議者が逮捕されたことはない、と海軍報道官キャサリーン・グード副司令官は語る。海軍は警備を厳重化し、抗議行動のキャンプに面するフェンスには、機関銃を携帯した海兵が立っている。
「テロ事件以降は入り口に武装した兵士がいるので、人々は怖がってしまう。それに演習場に入らないという合意もあるので、誰も入ろうとはしません」、38才の学校教師、アナ・ロペスさんは語る。
海軍はビエケス島の東端を60年間にわたって、爆撃演習を続けてきた。第二次世界大戦から湾岸戦争に至るまでこうして海兵を紛争に備えて訓練してきたのだ。爆撃演習は環境を破壊し、9100人のビエケスの住民の健康を害していると反対派は主張するが、海軍はこれを否定してきた。
7月に実施された拘束力のない住民投票では、68%のビエケス住民が海軍の即時撤収を求めた。
11月には拘束力を有する連邦政府による住民投票が予定されており、そこでは海軍が2003年に撤収するか、もしくは5千万ドルの公共投資と引き換えに駐留を認めるかが問われることになる。
ブッシュ大統領は、テロ事件発生以前は2003年5月までの撤収を約束していた。しかし先週下院は、住民投票を中止するとともに、適当な代替地が見つかるまで海軍の駐留を認める法案を可決した。下院と上院は同法案の文言の最終調整に入っている。

ENGLISH

海軍のヘリコプターに向かって信号弾発射

マヌエル・エルネスト・リベラ
アソシエーティッド・プレス
2001年10月4日

ビエケス、プエルト・リコ。 2隻の船に乗った抗議者たちが、ここプエルト・リコのビエケス島沖合での演習に参加している海軍のヘリコプターに対して、信号弾を発射したと、海軍の当局者は語った。
同島沖合の立入り制限海域内に侵入したボートを追跡していたSH-3シー・キング型ヘリコプターに対して2発の信号弾が発射された、と海軍報道官のキャサリン・グード副司令官は語った。
信号弾はヘリコプターに命中せず、逮捕も行われなかったとのことである。
この60年間にわたって海軍はビエケス島の東端を爆撃演習場として使用している。爆撃は島の環境と9100人の住民の健康を害していると反対派は主張するが、海軍はこれを否定している。
1999年に誤爆によってプエルト・リコ人の警備員が死亡していらい、何百人という人が射爆場に侵入して逮捕された。
ジョージ・W・ブッシュ大統領は今年初め、海軍は2003年5月までにビエケス島から撤収することを表明した。しかし最近下院で承認された法案によると、適切な代替地が見つかるまでは海軍は駐留を続けられることになる。
今回の演習は9月24日から開始されたが、いくつかの抗議グループは、9月11日のニューヨークとペンタゴンに対するテロ攻撃以降、抗議行動を差し控えている。
しかし、活動家の一人アレイダ・エンカルナシオンさんは、この木曜日の行動に参加した船には少なくとも6人が乗っていたという。彼女によると、彼女の夫である反海軍活動家、カルロス・セノン氏が今回の抗議行動を指揮したとのことである。
一方、約200人のビエケス住民が海軍のビエケスからの撤収を求めて1日デモに参加しデモを行った。ストの影響でいくつかの商店、政府機関、学校などに影響が出た。

ENGLISH

プエルト・リコ知事、ビエケス問題に関して支持を得る

ジュディー・サラショーン、ワシントン・ポスト
2001年10月11日

プエルト・リコ知事のシラ・カルデロン氏は今週初めにビエケスの抗議行動のリーダーたちと会見し、海軍の演習場としてのビエケス島の使用を終了させるべく彼女が費やしている努力に対して、消極的ながらも支持を取り付けることができた。9月11日のテロ攻撃以降、ビエケスの重要性はますます増大しているとする国会議員や、国防省の役人を前にして、知事の立場は極めて困難なものになってきている。
カルデロン氏は、演習終了の是非を問う11月の住民投票を中止し、2003年5月3日を海軍撤収の日とするブッシュ政権の提案を支持している。しかし議会が、国防予算法案の中にはっきりとした撤収の日付を盛りこまなかったならば、彼女は住民投票中止に反対するだろう。
さん・ふあん・スター紙によると、抗議運動リーダーの一人、ロバート・ラビン氏は現在のところ抗議運動のサイドとしては、ブッシュ政権に圧力をかけようと努力しているという知事の説明に満足していると語っている。「知事は詳細を明らかにはしなかったが、プエルト・リコ政府と協力関係にある共和党のロビイストたちがホワイトハウスにおける同政府の立場を強化するために熱心に活動していると説明した、とラビン氏は語った」と同紙は伝えている。
しかし抗議運動のメンバーのなかにはカルデロン氏のロビイストたちに対して批判的な人々もいる。その一人は、「すべてのプエルト・リコはビエケスとともに・委員会」代表のホセ・パラィティッチ氏。選挙運動中、彼はカルデロン氏の主要な支持者の一人であった。彼は知事に対して8月26日に以前の彼女との会見について書いている。そこで彼は、「ブッシュ大統領のホワイトハウスに対して、もっと効果的なロビー活動を強化する必要性について強調した。」
パラティッチ氏は「彼らの利点を除去したいわけではないが、チャーリー・ブラック等のロビイスト達はいただけない」と書いている。代わりにブッシュ氏の顧問であるカール・ローブの友人であるといわれるカリフォルニア州の共和党のカルロス・ロドリゲス氏やニューヨークの元上院議員ジェラルド・ソロモン氏などの共和党員を採用すべきだとしている。
「接点を作っていけば、また新たな接点ができていくものだ」と彼は書いている。
彼はおそらく共和党の政策担当者にして、BKSH協会の議長であるチャールズ・ブラック・Jrのことが気に入らないらしいが、現にブラック氏はローブ氏などのブッシュ政権内部の人々と親交がある。今年初めにワシントンでもたれたカルデロン氏の、ブッシュ政権下の副司令官であるジョス・ボルトン氏との会見も彼のロビーによって実現したものだ。
知事サイドのコメントはこの記事には間に合わなかったようだが、結局のところブラック氏は顧客を失ったわけではなかった。
ビエケスは「私にとってはロビー活動の焦点ではなかった」とブラック氏は語る。彼はかつてロビー活動を議会でのものに限っていた。
ビエケスの活動家たちはカルデロン氏に対する評価において公正ではない、彼女はきわめて強力なプレッシャーの中でなお確固として頑張っているのだから、と彼は語る。
そしてブラック氏はパラリティッチしについては「彼は私のクライアントではないし・・・」と片づけた。

ENGLISH

ビエケス住民投票、違憲との判決

イヴァン・ローマン
オルランド・センチネル
2001年10月18日

サン・フアン、プエルト・リコ。ビエケスにおける海軍の将来についての前例のない住民投票が、違憲であるとの判決がプエルト・リコの裁判所で下され、投票実施か否かをめぐる激しい争いはますます混迷を深める。
11月6日に予定されている住民投票をわずか3週間後に控え、ほとんど実施は不可能のようである。この判決以外にも、投票の中止を求める議会の圧力もある。当地の選挙関係者は、法的問題が錯綜しており、投票を実施するには既に遅すぎると述べている。
シラ・カルデロン知事(民主党)は、ただちにこの判決に対して不服を申し立てるとしており、一方で議会に対してはこの投票を廃止し、2003年5月をビエケスの爆撃演習場からの海軍撤収の期日であると明記した立法を求めて活動を続けるという、一見矛盾した立場をとっている。
カルデロン氏は、国防支出をめぐる妥協を今週にも取り付けるため、ビエケス問題に関する混迷を打開しようとしているブッシュ大統領の対議会努力を支持している。
「私は住民投票がこのまま実施されることを望んではいません。しかし、2003年という日付を明記した連邦法がそれに置き換わるまでは、この住民投票を支持します」と知事は語った。
連邦政府による住民投票では、ビエケスの5000人の有権者に対して、海軍が2003年5月1日に撤収するか、それとも、5千万ドルの経済援助の引き換えに、実弾を用いた演習を無期限に継続するか、が問われることになる。
海軍担当者達は、世界中の軍事施設に波及する前例を作ってしまうのではないかとの懸念から、かねてからこの住民投票に反対していた。
プエルト・リコ上級裁判所のソニア・ベレス・コロン裁判官は、特定の日付を含まずに、単に実弾による爆撃演習の継続を認めるかいなかを問うことを内容としている連邦法に対して、住民投票実施を律する国内法はそれを越えた内容を含んでいることを指摘している。
このような不一致は議会に対しては無効であり、拘束力を持たない、従って、地方の公金をかかる拘束力を持たない投票に支出することは、違憲であるとした。
プエルト・リコ政府法務長官のアナベル・ロドリゲス氏は、この判決は連邦法をあまりにも字義通りに解釈し過ぎているとした上で、政府としてはプエルト・リコ最高裁の裁定を直ちに求める意向であるとした。
「もちろん私たちは彼女の立場に同意できません」とロドリゲス氏は述べる。「この住民投票の重要性は、撤収の具体的日付を明記したというまさにその点にあるのです。確定した日付を記した唯一の法率なのです。」

ENGLISH

2001年11月2日
ビエケスの救援と発展のための委員会(CRDV)

セノンさんとその家族を全面的に支持しよう

ビエケスの救援と発展のための委員会(CRDV)は本日の連邦捜査当局によるカルロス・セノン氏とその息子ヤブレイボさんの逮捕を弾劾する。ビエケス島において、合衆国海軍の駐留を終焉させようと闘っているビエケスのグループの関係者たちは、これらの逮捕は、人権を求め、軍事主義に反対する人々への合衆国政府による弾圧であると語っている。
CRDVの広報担当者は、セノンさんの家族や、ビエケス島における平和と非軍事化のための闘いに参加したことによって逮捕されたすべての人々に対して、全面的な支持と連帯を表明した。彼は、連邦警察官がとりわけ今日、新たな反テロリズム法という武器を手にしていることから、タソ(カルロス)さんとヤブ君の置かれている状況に十分な注意を払うことを地域の人々に対して呼びかけている。
今月末にも予定されている海軍の新たな爆撃演習に対して地域グループは、再び市民的不服従を持って対決するために現在準備を行っている。アメリカ合衆国の軍隊が「テロリズムに対する戦争」なるヒステリックな状況をかもし出しているまさにこの現段階におけるセノンさんたちの逮捕は、ビエケス人民を脅迫し威嚇するものに他ならないと、彼らは一様に述べている。しかし、海軍がまだ経験から学び得ないのは、この地域の住民は、力でねじ伏せようが、脅かそうが、決してあきらめることはないという事実なのだ、とビエケスの人々は言う。二人に対して課せられた自宅軟禁の条件は、行動の自由への権利を侵害するものだとこのグループは非難している。
これらの逮捕はビエケスでの爆撃演習をとめるために、これまでに1500人もの参加者が逮捕されてきた市民的不服従行動のひとつの過程である。100人以上のビエケス漁民、大学生、宗教指導者、政治指導者、商業従事者、退役軍人、女性、老人が、これらの非逮捕者には含まれている。

ENGLISH

2001年10月31日
ビエケスの救援と発展のための委員会(CRDV)
P.O. Box 1424 Vieques, Puerto Rico 00765

ビエケス平和と正義のキャンプからのレポート
住民投票があるか否かにかかわらず、市民的不服従行動は継続される

ビエケス女性連合、ビエケス青年連合、カトリック、メソジスト各教会、人民民主党、モンテ・カルメロ、平和のための騎士団、ルイサ・グアダルペ・キャンプ、キャンプ・ミルヴィ、ビエケスの救援と発展のための委員会を含むビエケスの闘いにおける主要な地域グループは、11月の新たな演習に対する抗議行動に備えて、よりいっそう効果的な方法を目指して準備活動を行っている。ビエケスのグループは、海軍が地域住民を混乱させ分断することを目的として発案した連邦住民投票に対しても対決している。私たちは、この住民投票に対して批判的に参加し、この機会をさらにビエケスの平和の主張を表明する場に変えてしまおうと呼びかけている。海軍が投票の1月までの延期を決定したのは、われわれがこの住民投票という海軍が自ら発案したゲームそのものにおいて海軍を打ち負かしてしまおうと、キャンペーンをスタートさせることを発表した記者会見の翌日だった。当地の人々は、着弾地であろうが、海上であろうが、獄中であろうが、法廷であろうが、そして、住民投票の場であろうが、どこでもこの問題に関して海軍を跳ね返す用意がある、とリーダーたちは語っている。
先月、さまざまなグループが一堂に会して、抗議行動と市民的不服従行動の連携を強化するための討論を開始した。近日中にはプエルト・リコ本島のサポート・グループと、この非軍事化と平和を求める共同行動の調整のための会合が開かれる。

市民的不服従のモラトリアム(一時停止)は終わった!

ビエケスのグループは、前回の軍事演習に際して、ニューヨークなどでのテロ攻撃の被害者に対して弔意を表明するために、また、軍関係者に緊張が高まっており、厳しい弾圧が予想されることに鑑みわれわれ参加者の安全のためにも、市民的不服従行動を一時停止することを宣言していた。このモラトリアム宣言は、ビエケスのグループ内においても、プエルト・リコや合衆国内部でも多くの人々から支持を得た。連邦刑務所で市民的不服従行動参加により4ヶ月の刑期をすごしているビエケス市長、ダマソ・セラノ氏もその獄中からのメッセージの中で、私たちのグループがモラトリアムを宣言したことによって、この運動とそこに参加するビエケス人民の人間的、連帯的な本質と世界に対して指し示した、として賞賛している。
10月27日の土曜日、プエルト・リコから有名なスポーツ選手たちがやってきた。これらの人々はCRDVと協力して「ビエケスの平和のために、空と海から、走る人々、歩く人々の集い」に参加するのだ。このイベントの中心的なコーディネーターであるソライド・ディアスさんは、人々のための平和のオアシスを作ることがその目的だという。サン・ベイ・ビーチではベガ・アルタ・チームの指導の下、凧上げが行われた。子供用の小さな凧に混じって、20フィート、30フィート、40フィートもある巨大な凧も持ち込まれた。と、突然小さな飛行機が飛来して、平和と愛の象徴であるマルガリータの花束を投下した。参加者からはこの演出に拍手と歓声が沸き起こった。
午後1時ごろ、子供たち、大人たち、チャンピオンクラスの馬、自転車などの乗り物が参加して、パブリック・ビーチから平和と正義のキャンプに向かってパレードを開始した。キャンプにつくと、メトロポリタン合唱団の35人の美声がこれを迎え、平和のためのコンサートが行われた。わが不服従行動に参加する宗教者のネルソン・ロペス神父は、およそ200人の参加者にメッセージを送った。ビエケス女性連合のリーダー、ジュディス・コンデさん、CRDVのイスマエル・グァダルペさん、ビエケスの平和を求める退役軍人会とミリヴィ・抵抗キャンプのエミリオ・ガルシアさんなどが発言し、新たな爆撃演習という脅威を前にして、一層の団結と戦闘性が必要であることを強調した。
コンサートの最中、我々は、何台かの軍用車がキャンプ・ガルシア海軍基地に入るためにキャンプ周辺に向かっているとの通報を受けた。私たちはただちに参加者に呼びかけ、軍用車の入場を阻止すべく通りに巨大なピケを張ることにした。プエルト・リコ警察の護衛を受けたこれらの車両は、もと来た方角へ引き返すことを余儀なくされたのだ。小さなものではあるが、この大事な一つの勝利はあらためて、私たちに着弾地や、フェンスぎわや、獄中や、法廷や、そして、住民投票であれ、ビエケスのあらゆる街頭であれ、闘争を継続することが必要なのだということを痛感させてくれた。土曜の夜はメトロポリタン合唱団のメンバーも「平和と正義のためのキャンプ」での見張りに参加してくれた。そこでは女優にしてビエケス問題に携わる弁護士であるロクサーナ・バディジョさんも共にステージに立ち、ビエケスとプエルト・リコの平和と自由のための闘いに捧げられた詩が朗読された。
先週はまた、ビエケスのテレビ局である28チャンネルによるあらたな広報活動のこころみが開始された。同局はビエケスとプエルト・リコ本島の東部の一部の町で受信することができる。局のオーナーの好意と連帯グループのカンパにより、私たちは月曜日から金曜日の午後8時から10時まで、2時間番組の放映を開始することができる。ビエケス女性連合のメンバーと地域グループのリーダー、7月29日の住民投票でも大きな役割を果たしたホセ・M・エメリックさん、エバ・トレスさん、テ*フィロ・ベルムーデスさん等がビエケスのアーチストや商店主、地域代表者とともに、私たちの活動や闘いの情報を伝達するだけでなく、住民参加のもとでビエケスの軍事基地問題を討論する貴重な場所となるであろうこのプロジェクトに参画している。私たちの仲間の技術者でもある「平和と正義のためのキャンプ」の映画作家、アンドレス・ニエベスさんもCRDVのニルダ・メディーナさんとともに、このビエケスの平和のための重要な番組の制作に重責を果たしている。

今後のビエケスに関する行動の日程は、 市民的不服従行動と、これらのさまざまな行動の準備のために、CRDVと平和と正義のキャンプは各メンバーや地域のサポーターたちは多大な犠牲を払っている。尊厳と平和を防衛するための、この長期にわたる闘いにはまた、多大な資金が必要だ。ぜひ、みなさまのあたたかいカンパを上記の委員会の住所宛に送ってください。

闘いの中で、連帯のために
CRDV


ENGLISH

ブッシュ大統領の行政命令を求めて、ビエケスの人々が街頭行動

2001年11月6日
ビエケス・リーブレ

スペイン語からの英語要約より:
ビエケスの救援と発展のための委員会など、ビエケスの団体は、以下のプレス・リリースにあるように、ブッシュ大統領に対して、ビエケスにおける一切の軍事行動を中止断念し、海軍のビエケスからの撤収を命ずる行政命令の発布を要求するビエケス住民の署名運動に乗りだすため、本日から街頭での行動を開始した。
本日は、当初の予定ではビエケスの「連邦」住民投票の投票日であった。しかし海軍長官は最近、その投票を2002年1月25に延期すると発表した。議会は住民投票そのものをやめることを検討しており、住民投票に向けたお祭り騒ぎは中に浮いた形となった。
しかしながら、ビエケスの救援と発展のための委員会は、本日ビエケスで行われたような行動を通じて、ブッシュ大統領は、これ以上ただ一発の弾丸も発射せず、ただ一発の爆弾も投下することなく、海軍のビエケスからの撤収を命ずることができるし、かつ、命じなければならないのだ、ということを強調する。かかる要求は、土地の環境浄化とビエケス人民への返還の要求とともに、7月29日実施された住民投票において70パーセントの支持を受けている。この(即時撤収という)選択肢は、予定されていた「連邦」住民投票には含まれていない。しかし依然としてブッシュ大統領は住民投票を実施することなく、ビエケス住民の要求を実行に移すことが可能なのだ!

ビエケスの発展と救援のための委員会
Committee for the Rescue and Development of Vieques
PO Box 1424 Vieques, Puerto Rico 00765
Telefax (787) 741-1717 E mail: bieke@prdigital.com
2001年11月10日

ENGLISH

平和と正義のためのキャンプからの報告

この戦争の時代にあって、平和のためになおいっそう闘うことこそ私たちの責任である。ビエケスの平和のために、合衆国の平和のために、アフガニスタンの平和のために、世界の平和のために。私たちはここビエケスで過去60年間にわたって、戦争の中を生きてきた。軍用飛行機、爆弾の爆発、艦砲射撃、それらの爆音の中で。私たちの家族は、弾薬やその他の戦争の道具の持つ毒物によって殺されてきた。ビエケスにもう戦争はいらない。戦争はもういらない。ただそれだけ。
9月のテロ攻撃事件は、私たちの時代の経験の中で、もっとも野蛮なもののひとつだ。私たちは全力をあげて、かつ心のそこから、この行為を糾弾する。しかし私たちは、たった一瞬といえども、合衆国であれ、タリバンであれ、違った形ではあるがそれぞれに紛争の解決手段としての暴力を容認する者たちの、好戦的なレトリックに屈服することはできない。私たちは平和を求めて叫ぶ。もっと平和を!
ビエケスの平和とは、すべての軍事行動の停止、私たちの土地と海と大気の汚染除去、私たちへの領土の返還、そして「自由ビエケス」の持続可能な健全な発展と同義である。
9月に、ビエケスの救援と発展のための委員会は、すべての地域運動団体に対して、この正義と平和のための闘いを共同でより効果的に発展させるため、対話を開始することを呼びかけた。11月3日土曜日、この一連の会議の3回目として、ビエケス女性連合、ビエケス青年連合、カトリックおよびメソジスト派教会、平和のための騎士団、マウント・カルメロ、ルイサ・グァダルペ・キャンプ、ミリヴィ・キャンプ、平和と正義のためのキャンプ、そして市政府などの参加のもと会合を持った。
われわれの共同行動を発展させ、人的および物的資源を共同で有効利用するためのこの会議では、運動の指導部はじかに顔を突き合わせて討論し、私たちの希望、懸念、理想をお互いに示し、建設的な批判を交し合った。こうして、ビエケスの英雄的な闘いの基礎は、さらに打ち固められた。私たちは、この対話プロセスをさらに広げ、今度はプエルト・リコ本島の支援グループとの会合を持つ予定だ。
11月3日の夜、私たちは平和と正義のキャンプにおいて特別の集まりを持った。沖縄平和ネットワークからの代表を迎えて。マキシ・ヨシカズさん(建築家)、オオシロ・シンヤさん(歌手)、ヒガシオンナ・タクマさん(漁民)の3人が日本語から英語、英語からスペイン語の通訳を通して、彼らの土地での人々の闘いについて、語り、歌った。ビエケスと沖縄の連帯は、私たちの平和のための活動の、精神的かつ物質的な活力の源となる。彼らは沖縄における合衆国軍隊の駐留について、非軍事化のための闘いについて(それは私たちの経験と共通するものだ)、映像を提供してくれた。プエルト・リコ弁護士会のシェイラ・ベレスさんがこのグループのプエルト・リコ訪問と2日間にわたるビエケス滞在をコーディネイトしてくれた。
闘いの国際的広がりを求めて、過去1年半の間に6人のビエケスの活動家が沖縄を含む日本各地に出かけた。またまもなくCRDVのミルナ・パガンが日本平和大会参加のために出発する。イスマイル・グァダルペ(CRDV)は今週カリフォルニアに向けて出発、彼はその後キューバへ向かい、ビエケス問題を国際会議の場で訴える。また11月の末にはCRDVのニルダ・メディナが「平和と正義のためのカリブ海プロジェクト」のワンダ・コロンさんとともに、太平洋のグアムに向かい、先住民女性の国際会議の場でビエケスの闘いを紹介する。
私たちはまた、過去数年間にわたって培われてきた数々の戦略を検討し、次なる市民的不服従運動を準備している。ビエケスにおける教育啓蒙活動、プエルト・リコの他の地域や合衆国に対してビエケス問題を訴えること、ワシントンの議会や国連など国際的な機構に対するロビー活動などなど。11月8日木曜日には、「すべてのプエルト・リコはビエケスとともに」のホルヘ・コロンとジョシー・パントーハスがCRDVがビエケスのテレビ局「28チャンネル」で放映している「ビエケスの平和のための番組」を通して、市民的不服従のためのワークショップを行った。この市民的不服従行動のためのワークショップに参加を希望される方は委員会まで電話をして、今後の予定を確認してほしい。来週、できればプエルト・リコ弁護士会のエドゥアルド・ビジャヌエバさんとシェイラ・ベレス弁護士を招いて、最近議会を通過した反テロリズム法の私たちの闘いへの影響について学びたいと考えている。
11月10日土曜日、「ビエケスの持続可能な発展のための技術的および専門的支援グループ(TPGV)」の代表がビエケスを訪れ、副市長や市長の実務グループと会見した。TPGVには環境問題に詳しい科学者、弁護士、経済学者、地域計画専門家、建築家、社会学者、医療専門家、技術者、地理学者などが参加しており、すでに「自由ビエケス」の発展のためのガイドラインとして2冊の報告書を発表している。TPGVはCRDVのイニシアティブで1999年7月に発足し、過去2年間の間にビエケス女性連合やビエケス青年連合がその活動に意欲的に参加してきた。その中心的な目的は、海軍から解放されたビエケスはビエケス人とプエルト・リコ人のものであり、投機的な利益を求めて集まってくるであろう開発業者のものではないのだということを、はっきりさせることにある。この支援グループは、すでに海軍から返還された、もしくは返還されつつある土地の利用計画に関して、真の住民参加のメカニズムを生み出すために討論を重ねるという、重要な仕事をしてきた。
私たちは抗議行動に全力を傾ける。しかし同時にビエケスの未来の計画のためにも十分な注意を払わなければならない。尊厳に満ちた、公正で平和なビエケス人民の生存のために。プエルト・リコの社会経済発展の分野での第一人者であるこのすばらしい専門家チームの多大な努力に、われわれは心からの賛意を惜しまない。私たちの闘いは軍事主義に対する闘いのモデルでありつづけたし、これからもそうありたい。同時にこの闘いが、地域の自決権という文脈の中でも、持続可能な発展のためのモデルとなりたいと思う。

アイランド・カズンズ・ネットワーク