【問題】pH3に調整した酢酸1Lと、pH5に調整した酢酸1Lとを混合した溶液のpHは、どうなるだろうか?
次式で定義される酢酸の電離平衡定数Kaの値を3×10-5とする。
Ka=[CH3COO-][H+]
[CH3COOH]

弱酸である酢酸の濃度と電離度の関係について考える。

はじめに、水に酢酸xmolを加えて1Lにした溶液があったとする。この濃度における電離度をαとすれば、電離平衡の様子は次のようにあらわされる。
CH3COOHCH3COO-+H+
はじめx
反応・生成xαxαxα
電離平衡後x(1-α)xαxα

電離平衡定数Kaは、xとαを用いて、次のようにあらわされる。
Ka=[CH3COO-][H+]=(xα)2=xα2
[CH3COOH]x(1-α)1-α

温度一定のもとでは、Kaは一定だから、はじめに加えた酢酸の濃度xが大きくなればなるほど、電離度αは小さくなる。
試しに
x=Ka(1-α)/α2
のグラフを描いてみた。濃度が高いと電離度は低く抑えられ、濃度が極端に小さくなってはじめて急激に電離度が上がり始める。
右側の、ほぼ直線のように、Kaが十分大きく、どんな濃度でも電離度がほぼ1になってしまうものを、「強酸」と呼ぶ。