• 中和の等量関係には、酸・塩基の「強弱」、すなわち、「電離度」は、無関係。中和の進行によって、弱い酸、塩基の、電離が促進されるからである。

    • 中和滴定完了後の水溶液の液性には、酸・塩基の「強弱」、すなわち、「電離度」が、関係する。生じた塩の、「加水分解」と同じ問題となる。

    • (1)同じ濃度の1価の強酸と2価の強酸では、2価のほうが水素イオン濃度が2倍、log102=0.3010だから、pHは、約0.3小さくなる。
    • (2)価数の等しい強酸と弱酸では、弱酸の方が水素イオン濃度が低い。たとえば電離度が0.01なら、pHは、2大きくなる。

    • (1)(2)硫酸は強酸だから、第1段階の電離で止まったりしない。炭酸は弱酸だから、ほとんどが、第1段階の電離で止まっている。
      HSO4-は、ただちに水素イオンを放出するのに、HCO3-は、このまま存在できる。

    • 正確に体積を測る容器の特徴は、口が細くなっていること、目盛り線が一本しか引かれていないこと!
    • いったん「溶質」を正確にはかりとってしまえば、あとはどんなに薄まって「濃度」が変わっても関係ない!

    • 過酸化水素の酸素の酸化数は-1、酸化されて0になることも、還元されて-2になることもできる。
      二酸化硫黄の硫黄の酸化数は+4、酸化されて+6になることも、還元されて0になることもできる。
      「酸化剤」になるか「還元剤」になるかは、「相手」による!

    • 金属が希酸に溶ける酸化還元反応で、酸化剤になっているのは、水または水素イオンの水素である。だから、水素よりイオン化傾向(還元力)の小さい金属が、溶けるわけがない。
      銅は、濃硫酸になら溶ける。このときは濃硫酸が酸化剤。

    • 鉛蓄電池では、正極PbO2も、負極Pbも、Pb2+となると同時に電解液中の硫酸イオンと難溶性の塩を作る。これが電極に付着して離れないから、充電という逆反応が可能なのである。
    • 放電時、2モルの電子移動ごとに、正極は64g、負極は96g質量増加。この分だけ硫酸イオンが失われるから、電解液の濃度は低下。

    • 燃料電池は、水素と酸素を使う。酸素は、フッ素を除けば最強の陰性元素だから、酸化剤になるしかない。4モルの電子を受け取って水になる。水素はとても弱い陰性元素だから、還元剤になる。2モルの電子を放出して水になる。

    • 析出した金属と電子のモル数の比は、1 : z = (zw/M) : (Q/F)

    1. 陽極:酸素発生、陰極:銀析出
    2. 陽極:酸素発生、陰極:水素発生
    3. 陽極:塩素発生、陰極:銅析出
    4. 陽極:塩素発生、陰極:水素発生

    • 陽極:塩素発生、陰極:水素発生
    • 陰極反応で水酸化物イオンが生じる(単純に、水素イオンが減る、と考えてもよい)。これが、水酸化ナトリウムの工業的製法の原理。

    • (1)ハロゲン化水素では、フッ化水素のみ弱酸、他は強酸。
    • (2)ハロゲン単体は、常温常圧で、フッ素と塩素が気体、臭素は液体、ヨウ素は固体。単体が常温常圧で液体である非金属は臭素のみ。
    • (3)酸素より「陰性(酸化力)」が強い元素はフッ素しかない。水の酸素を酸化できるのは、フッ素しかない。
    • (5)弱酸であるフッ化水素は、酸性酸化物である二酸化ケイ素を主成分とするガラスを溶かす、という不思議な性質を持っている。

    • (2)塩化水素の製法は、塩化ナトリウムに濃硫酸を加えて加熱する、であった。これは濃硫酸の「不揮発性」を利用している。
      同様に、フッ化カルシウムに濃硫酸を加えて加熱すると、フッ化水素が生じるであろう。
    • (3)次亜塩素酸の塩素の酸化数は+1、これが-1の塩化物イオンに変わるときに酸化力を発揮する。

    • 塩酸の塩素(-1)を酸化マンガン(IV)によって酸化すると、塩素が得られる。このとき酸化マンガン(IV)は、酸化剤である。過酸化水素に酸化マンガン(IV)を加えて酸素を得るときは、酸化マンガン(IV)は「触媒」である。
    • 塩酸(塩化水素)は揮発性が高いから、得られた気体の中に多量に混入している。だから、先に水に通してこれを吸収し、その後濃硫酸で脱水する。塩素も水に溶けるから、少しは失われるが、仕方ない。

    • 濃硫酸の「不揮発性」を利用して、塩化水素を製造する。
    • (2)は、「塩素」なら、ヨウ化物イオンを酸化してヨウ素を発生させ、ヨウ素デンプン反応を生ずるだろう。
    • (4)も、「塩素」なら、水に溶けて塩化水素とともに、次亜塩素酸を生じ、次亜塩素酸の酸化力によって、漂白されるだろう。

    • ア:酸素発生。過酸化水素の「自己分解」、過酸化水素が酸化剤、還元剤いずれの役割をも果たしている。だから酸化マンガン(IV)は触媒。
    • イ:さらし粉の次亜塩素酸イオン(塩素の酸化数+1)、と塩酸(塩素の酸化数-1)、とが酸化還元反応を行って塩素単体が発生する。
    • ウ:アセチレン発生。
    1. 塩素が水に溶けると(植物の細胞は水分で満たされている!)、塩化水素と次亜塩素酸にふたたび分離、次亜塩素酸の酸化力によって、脱色が起こる。
    2. 光合成によって酸素発生。
    3. アセチレンの三重結合に臭素が付加する。


    1. 水素。水に溶けない。
    2. 塩化水素。水によく溶ける。
    3. 酸素。水に溶けない。
    4. 二酸化硫黄。水に溶ける。
    5. 水素。水に溶けない。

    • 炭酸ナトリウムの「風解性」。

    • (1)人類は、イオン化傾向(還元力)が小さい金属から順に利用してきた。大気中の酸素によって酸化された化合物を還元する技術を獲得するのに時間がかかったからである。「不動態」、「強力な酸化皮膜」で有名な(!)酸化アルミニウムを還元する技術が開発されたのはようやく20世紀である。
    • (4)ミョウバンは、硫酸アルミニウムと硫酸カリウムの「混合物」と考えればよい。硫酸カリウムは「強酸強塩基塩」だから中性だが、硫酸アルミニウムは「強酸弱塩基塩」だから、酸性である。

    • (a)酸化アルミニウム(アルミナ)がきわめて安定で、融点が著しく高いことが、アルミニウムの利用を妨げてきた。
    • (c)イオン化傾向が水素より大きい金属単体を、水溶液の電気分解で得ることは決して出来ない。かならず、水素が優先的に生じてしまうからだ。

    • クロム酸は塩基性溶液中、ニクロム酸は酸性溶液中、に存在できる。どちらも+6価だから、これは酸化還元反応ではない。

    • 実験ア:両性元素である亜鉛は、強塩基に溶けて水素を生じ(酸化還元反応)、テトラヒドロキソ亜鉛酸イオンになる。ここに塩酸を加えると、亜鉛イオンに配位した水酸化物イオンが、中和され、電荷を失うので、水酸化亜鉛として沈殿してしまう。
    • 実験イ:イオン化傾向が水素より小さい金属は、希酸の水素イオンを酸化剤として酸化され、水素を発生する。溶液中には亜鉛イオンが生じている。ここに水酸化ナトリウムを、少量、加えると、水酸化亜鉛の沈殿が生じる。

    • (1)黄リンの発火点はきわめて低い。
    • (2)気体の乾燥剤には、
      • ソーダ石灰(酸化カルシウム、水酸化ナトリウム混合物):酸性の気体には使えない。
      • 濃硫酸:塩基性の気体には使えない。硫化水素とは酸化還元反応を起こしてしまう。
      • 塩化カルシウム。アンモニアには使えない。
      水酸化カリウムにも「潮解性」がある。でも、もちろん酸性の気体には使えない。
    • (3)ガラスの主成分は二酸化ケイ素、非金属酸化物は酸性酸化物だから、塩基と反応する。ガラス栓とのすりあわせ部分が少し溶けて、開かなくなる。
    • (4)濃硫酸が水に溶解する反応はものすごい発熱反応であるから、少量の水ではただちに気化して同時に濃硫酸の水滴をまきちらして危険。だから大量の水に、濃硫酸を少しずつ加える。
    • (5)ハロゲン化銀には感光性がある。


    • 1モルの脂肪酸に付加した水素のモル数と等しい個数の二重結合がある。
      アルキル基(飽和)ならCnH2n+1-、二重結合が一つ増えるたびに水素数が2ずつ減っていく。

    • エステル化は可逆反応であるから、どんなに反応条件を整えても、目的物であるサリチル酸メチル以外に、未反応のサリチル酸が大量に残されている可能性がある。
      これを除去して純度の高いサリチル酸メチルを得るには、
      • サリチル酸メチルのカルボキシル基はエステル化によって失われているから、酸の強さとしては「フェノール類」に当たる。
      • 未反応のサリチル酸はカルボキシル基が残っているから、もちろんカルボン酸扱いできる。
      だから、炭酸水素ナトリウムを加えることで、(カルボン酸は電離するから水層、フェノールは電離できないからエーテル層)、分離できる。

    • ヨードホルム反応陽性の条件は、「端から2番目の炭素にヒドロキシル基が結合した、第1級アルコール、第2級アルコール、またはそれらを酸化して得られたアルデヒドまたはケトン」、である。
    • 還元性、すなわちアルデヒド基をもつカルボン酸、といえば、ギ酸。

    • 分子間力が大きいほど沸点が高い。
    • 分子間力の大きさを判定する基準は、
      1. まず、「極性」。極性が大きいほど分子間力は大きい。
      2. 極性が同じくらいなら、分子量。分子量が大きいほど分子間力は大きい。

    • (2)さらし粉反応は、アニリンの検出に用いられる。さらし粉は次亜塩素酸イオンを含むから酸化力がある。アニリンは、そもそもニトロベンゼンをスズを還元剤として還元して得られたのだから、その窒素原子の酸化数は、とても低い還元状態にある。だから容易に酸化される。


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