【「背理法」の論証の書き方】
であるならば、
であることを示したい。
と仮定する。
すなわち、
かつ
と仮定する。
かつ
であるから、
・・・・・・
・・・・・・
となり、これは、
の仮定に反する。
よって、
であるならば、
であることが、示された。
【例題1】整数
n
に対して、
n
2
が偶数ならば、
n
は偶数であることを示せ。
整数
n
に対して、
であることを示したい。
整数
n
に対して、
であると仮定する。
すなわち、
であると仮定する。
であるから、
これは、
との仮定に反する。
よって、
整数
n
に対して、
であることが示された。
整数
n
に対して、
n
2
が偶数ならば、
n
は偶数であることを示したい。
整数
n
に対して、
n
2
が偶数であり、かつ、
n
が偶数でないと仮定する。
すなわち、
n
2
が偶数であり、かつ、
n
が奇数であると仮定する。
n
が奇数であるから、
n
=2
m
+1 (
m
は整数)と、書くことができる。
n
2
=(2
m
+1)
2
=4
m
2
+4
m
+1
であるから、
n
2
は奇数である。
これは、
n
2
が偶数である、との仮定に反する。
よって、
整数
n
に対して、
n
2
が偶数ならば、
n
は偶数であることが示された。
【「対偶」の論証の書き方】
であるならば、
であることを示したい。
「対偶」をとって、
であるならば、
であることを示す。
であるから、
・・・・・・
・・・・・・
となる。
よって、
であるならば、
であることが、示された。
【例題1】整数
n
に対して、
n
2
が偶数ならば、
n
は偶数であることを示せ。
整数
n
に対して、
であることを示したい。
「対偶」をとって、整数
n
に対して、
であること示す。
すなわち、
であること示す。
であるから、
こうして、
であることが示された。
よって、
整数
n
に対して、
であることが示された。
整数
n
に対して、
n
2
が偶数ならば、
n
は偶数であることを示したい。
「対偶」をとって、整数
n
に対して、
n
が偶数でないならば、
n
2
は偶数でないこと示す。
すなわち、
n
が奇数ならば、
n
2
は奇数であることを示す。
n
が奇数であるから、
n
=2
m
+1 (
m
は整数)と、書くことができる。
n
2
=(2
m
+1)
2
=4
m
2
+4
m
+1
であるから、
n
2
は奇数である。
こうして、
n
が奇数ならば、
n
2
は奇数であることが示された。
よって、
整数
n
に対して、
n
2
が偶数ならば、
n
は偶数であることが示された。
練習問題
x
,
y
,
z
は実数とする。
x
+
y
+
z
=1ならば、
x
,
y
,
z
のうち少なくとも1つは、
以上であることを示せ。
(1),(3)が「真」であるから、これを証明してください。
[神戸大(文系)2008]
一橋大[1999_1]
解答
【背理法】 実数
x
,
y
,
z
に対して、
x
+
y
+
z
=1ならば、
x
,
y
,
z
のうち少なくとも1つは、
以上であることを示したい。
実数
x
,
y
,
z
に対して、
x
+
y
+
z
=1であり、かつ、「
x
,
y
,
z
のうち少なくとも1つは、
以上」ではない、と仮定する。
すなわち、
x
+
y
+
z
=1、かつ、
x
,
y
,
z
のすべてが、
未満である、と仮定する。
x
y
z
であるから、
x
+
y
+
z
1
これは、
x
+
y
+
z
=1 であるとの仮定に反する。
よって、実数
x
,
y
,
z
に対して、
x
+
y
+
z
=1ならば、
x
,
y
,
z
のうち少なくとも1つは、
以上であることが示された。
【対偶】 実数
x
,
y
,
z
に対して、
x
+
y
+
z
=1ならば、
x
,
y
,
z
のうち少なくとも1つは、
以上であることを示したい。
実数
x
,
y
,
z
に対して、「
x
,
y
,
z
のうち少なくとも1つは、
以上」ではないならば、
x
+
y
+
z
=1でないことを示す。
すなわち、
x
,
y
,
z
のすべてが、
未満であるならば、
x
+
y
+
z
=1ではないことを示す。
x
y
z
であるから、
x
+
y
+
z
1
よって、実数
x
,
y
,
z
に対して、
x
+
y
+
z
=1ならば、
x
,
y
,
z
のうち少なくとも1つは、
以上であることが示された。
2
2
3
3
3
3
4
4
4
4