- 漸化式
yn=xn-k と置き換えることで、式を簡略化できないか?、と考えて、
右辺の分子の定数項(xnを含まない項)を0にすれば、両辺の逆数を取ることによって、
an+1=pan+q 型の漸化式
に変形できそうである!
これは、xに関する2次方程式
・・・(1)
の解、α,βをkとして選べばよいことを意味する。「解と係数の関係」より
・・・(2)
このようなkに対して、両辺の逆数を取ると、
これは、以下のように置き換えると、
となっていて、確かに、an+1=pan+q 型の漸化式であり、解くことが出来る。
- 以下、まず、k=α、として計算してみる。αとβは入れ替え可能であるから、k=βの場合も同じ結果が得られることが予想される。、
とおくと、
逆数をとって、
さらに、 と置き換えると、
これは、以下のように、定数γを定めることで、等比数列に変形できる。
ここでの変形には、(2)の第1式を用いた。
さらに、 と置き換えて、
順次、戻していくと、
ここで、ふたたび(2)第1式より、
こうして、一般項が得られた。予想通り、この式は、αとβを入れ替えても、まったく同じ式である。
- ところで、2次方程式(1)は、次のように見ることもできる。
に対して、分数関数 と、 y=x との交点を与える方程式、
を考えると、
となり、xについての2次方程式
・・・(1)
が得られる。こうして「世間」では、xn+1=xn=x と「見た」式を、この漸化式の「特性方程式」と呼んでいるのである。
- 次に、(1)の解、α、βを用いて、次式の左辺のような形を作ってみると、
ここで、(2)より、
であるから、
であるから、となり、これは等比数列であることがわかる。したがって、
ここから、xnを解いて、
同じ結果が得られた。
- xnの一般項を、次のようにおく。
行列 に対して、 であることを示す。
- n=1のとき、
n=2のとき、
- n=kに対して、 と仮定すると、
となり、n=k+1に対しても成り立つ。
よってi,iiより、任意の自然数nに対して、 であることが示された。