点A,Bをそれぞれ、A(3,0) , B(0,2)とする。
円C : x2 + y2=1上に点Pをとる。
PA2+PB2の最大値、最小値、および、そのときのPのx座標を求めよ。
- [解法1]・・・「媒介変数表示」、「三角関数の合成」
- Pは、C上の点だから、P(cosθ,sinθ)とおくことができる。
PA2+PB2=f(θ)とおくと、
任意のθに対して、
- 最大値2√13+15をとるのは、
一方、sin2θ+cos2θ=1だから、
- 最小値-2√13+15をとるのは、
一方、sin2θ+cos2θ=1だから、
- [解法2]・・・「点と直線の距離」の問題へのすり替え
- P(u,v)とおくと、PはC上の点であるから、u2+v2=1
PA2+PB2=kとおくと、
uv平面上の直線を表している。
- したがって、この問題は、
というuv平面上の直線と円が、少なくとも1個の共有点をもつという条件の下で、kのとりうる値の範囲を求めている、という風に問題をすりかえることができる。
円の中心から直線への距離が、円の半径1以下であるという条件から、
が得られる。
- (本来、「点と直線の距離」の公式は、垂線の足の座標を計算せずにすませられるところがメリットであるのだから、以下の議論は、やや迂遠と言わざるを得ないが、・・・)
- 最大値k=2√13+15のとき、
- 最小値k=-2√13+15のとき、
- [解法3]・・・平面幾何学「中線定理(パップスの定理」)の利用
- まず、「中線定理(パップスの定理」)を証明する。
ABの中点をMとするとき、
PA2+PB2=2(PM2+AM2)
であることを証明せよ。
[証明]
PMA=θとおくと、余弦定理より、
PA2=PM2+AM2-2PM・AMcosθ
PB2=PM2+BM2-2PM・BMcos(π-θ)
AM=BM、および、cos(π-θ)=-cosθ、より、
PA2+PB2=2(PM2+AM2)
- PA2+PB2の最大値、最小値を求めることは、PM2+AM2の最大値、最小値を求めることに帰着する。
また、AM2は定数であるから、PM2の、すなわち、PMの、最大値、最小値を求めればよい。
- PMが最大となるのは、円Cの中心O(0,0)とMを結ぶ直線とCが交わる2点のうち、Oに関してMと反対側の点、
Pmax
- PMが最小となるのは、円Cの中心O(0,0)とMを結ぶ直線とCが交わる2点のうち、Oに関してMと同じ側の点、
Pmin
である。
- ここから、最大、最小それぞれの場合について、2(PM2+AM2)を計算して求めることになる。
- 最大値:
PA2+PB2=2(PM2+AM2)
- 最小値:
PA2+PB2=2(PM2+AM2)