したがって、この問題で、fn(x)と呼ばれているのは、無限級数でしか表せないはずの、exを有限項、第n項までの多項式で「近似」した際の、「誤差」を表している。微分積分学では、これを「ラグランジュの剰余項」と呼んでいる!



上式の二つめの{}が、その姿を表している。その部分を取り出して、次のように変形してみると、



ここで、



であるから、



右辺は、無限項まで続く限り(!)、exに等しいから、



が得られる。一方、左辺は、x0に対して、正または0である。

さらに、上式にx=1を代入してみると、これは自然対数の底(ネイピア数)の近似式であって、



これを第n項までで止めたときの、「誤差」が、fn(1)なのであるから、nを無限にすれば0に収束するのは、それは「理の当然」なのであった。









ちなみに「ネイピア数」の級数展開による近似値は、こんな感じで、とても収束が速く、第8項くらいで十分に使い物になる値である。








この問題は、このようにして(笑)作成された。でも、高校生が、こんな答案を書くわけにはいかないから、何も知らない振りをして、「数学的帰納法」などを用いて、解くことになる。 。