以上の準備をした上で群の厳密な定義を述べておこう。
  1. 集合G={a1,a1,・・・,an,・・・}は有限もしくは無限の集合で、
    その上に2変数の関数φ(a,b)=cが定義され、その値は常にGに属する。
    このφ(a,b)=cab=cで表わす。
  2. 任意の3要素a,b,cに対して結合法則が成立する。
    (ab)c=a(bc)
  3. Gae=ea=aなる要素eを含む。このようなe単位元という。
  4. Gの任意の要素aに対して、aa-1=eなるようなa-1Gに含まれる。
    a-1a逆元という。
以上4つの条件を満たす集合Gを群という。
これから単位元は唯1つあることもわかる。
他にae'=e'a=aなるe'があったとすると、
ee'=e',ee'=e,したがってe'=e
・・・

「代数的構造」遠山啓(ちくま学芸文庫)