これは、素数11,13,17,19について、その逆数である既約真分数を、純循環小数に展開してみたものである。その循環節の長さは、2,6,16,18と、ほぼ支離滅裂である。
改めて上の「定理2」を見てみると、
10e-1≡0  (mod  a)
循環節の長さは、10e-1、すなわち、9,99,999,9999,99999,999999,・・・の如き数が、分母aをはじめて因数に含むようになるときのeなのである。当然「支離滅裂」であっても、仕方ないのである。
そこで、10e-1の素因数分解を試みた。それより小さい自然数でことごとく割ってみる、というような、効率の悪いプログラムであるから、数が大きくなると演算時間が飛躍的に大きくなり、どうも、18あたりが、限界のようである。
たしかに、素因数として、11がはじめて現れるのが、e=2、13では、e=6、17では、e=16、19では、e=18、となっている。
たとえば、excelなどを用いて1/19を小数で表してみても、精度の限界から、ほとんど循環しているようには見えないのである。パーソナル・コンピュータでは、これより長い循環説を持つ小数を、「実験・実見」することができないのである。
1 9 3 * 3
2 99 3 * 3 * 11
3 999 3 * 3 * 3 * 37
4 9999 3 * 3 * 11 * 101
5 99999 3 * 3 * 41 * 271
6 999999 3 * 3 * 3 * 7 * 11 * 13 * 37
7 9999999 3 * 3 * 239 * 4649
8 99999999 3 * 3 * 11 * 73 * 101 * 137
9 999999999 3 * 3 * 3 * 3 * 37 * 333667
10 9999999999 3 * 3 * 11 * 41 * 271 * 9091
11 99999999999 3 * 3 * 21649 * 513239
12 999999999999 3 * 3 * 3 * 7 * 11 * 13 * 37 * 101 * 9901
13 9999999999999 3 * 3 * 53 * 79 * 265371653
14 99999999999999 3 * 3 * 11 * 239 * 4649 * 909091
15 999999999999999 3 * 3 * 3 * 31 * 37 * 41 * 271 * 2906161
16 9999999999999999 3 * 3 * 11 * 17 * 73 * 101 * 137 * 5882353
17 99999999999999999 3 * 3 * 2071723 * 5363222357
18 999999999999999999 3 * 3 * 3 * 3 * 7 * 11 * 13 * 19 * 37 * 52579 * 333667