間もなく、6月21日が「夏至」のようですが、一年で最も日照時間が長い、その日照時間は、どうやって計算するのだろう?地球の自転軸が太陽に対する公転面の法線に対してα=23.4度傾いていることが四季の変化が生じる根拠です。
地球の中心を原点、太陽に対する公転の方向をx軸、地軸の北極を正とする向きをz軸とする座標系をとれば、太陽は、y-z平面のy>0の領域の遥か彼方にあることになる。春分の日と秋分の日には、y軸上、冬至の日には、yの下方、そして夏至の日には、y軸の上方、それぞれ、23.4°の場所から、地球を照らすのであろう。原点から太陽を指し示すベクトルは(0,cosα,sinα)という成分をもつことになるから、原点を通り、これを法ベクトルとする平面、ycosα+zsinα=0、を描けば、これを境に、半分が昼、他の半分が夜、となる。
那覇市は北緯26度12分、なのだが、これをθとして、そこにいる私たちは、地球の半径をRとすると、半径Rの球面とz=Rsinθなる平面との交線をなす円周上にいる。
この円と、先に描いた、昼夜を画する平面、ycosα+zsinα=0、の交点を求めれば、そのような交点はもちろん2点あるが、それらがそれぞれ日の出、日の入りの場所を表すことになる筈だ。
下に概念図を掲げる(笑)。左は、北緯26度12分・那覇市、右は参考のために、北緯35度0分・京都市。2交点を結ぶ劣弧、円周上に2点を取れば、それらによって全円周は二つの弧に分割されるが、そのうちの大きい方を優弧、小さい方を劣弧と呼ぶ、が、夜の側にあることになる。あくまで北半球について述べるが(笑)、緯度が大きくなるほど、円は小さくなり、かつ、夜を表す劣弧の中心角も狭まっていく。夏至の日の昼夜の較差が大きくなる、訳だ。下の2枚は、その有様を北極側から望んだものである。


では、この2交点の座標を算出できれば、それらが作る優弧の全円周に対する割合が、昼間の時間の全日に対する割合に等しくなるのだから、目的を達成できるはずだ。やってみよう!

地球(1)、昼夜を画する平面(2)、観測者を載せて一日の間に回る円周(3)、これらの交点を求める。3式からy,zを消去すると、

これが実数解をもつ条件についても、一応(笑)検討して置こう。


cosα+sinθが負になることはない、cosα-sinθが負になるのは、

ということだから、北緯66.6度以北の高緯度地帯では、なるほど、夏至の日には、太陽が沈まない、ということになるのか?で、調べてみた、思いつく限り(笑)北の街、ノルウェー、オスロ59.91N、スウェーデン、ストックホルムも、フィンランド、ヘルシンキも、ヨーロッパ・ロシア、サンクトペテルブルク、余談だが、全部が余談だ(笑)、旧レーニン主義者(笑)としては、「旧レニングラード」とでも言ってもらわないとわからない、も、同じぐらい、ロシア、シベリアのハバロフスク48.50N、で、アイスランド、レイキャビク64.13Nにして、やっと近づいた、そんな感じだった(笑)。
というわけで、そのような高緯度地帯でない限り、前述のxは実数解を有することがわかった。求める2交点の座標は次の通り、

ちなみに、x成分は以下のようにも変形できる。

円の中心(0,0,Rsinθ)を始点とし、ここ、例えば正の方、地球は北極から見て反時計回りに自転するのだから、こちらが日の出だ、へ向かうベクトルと、南中時(0,Rcosθ,Rsinθ)へ向かうベクトルとのなす角を算出すれば、それが、日照時間の半分の半分に対応することになろう?これをφとすれば、


という結果だ(笑)。手元の潮汐表には、6月15日の日の出日の入りの記述があり、それによると、13時間47分、まあ、いい線いっている(笑)のではないだろうかな?