もう四十年近く前になりますが、大学の最終学年になって、周りの誰もが「取り敢えずは」、そうするというので真似をして、私も国家公務員試験、というものを受験してみた。四年間の在学期間のうち丸々二年間くらいは、ただの一度も授業に出席したことのないような「あほ」学生ですから、間違っても合格するはずはないのだが、また特にそれほど「世の中をなめて」いたわけでもないのだが、おそらく合格するわけがない、ということすら理解できていないほど「あほ」(笑)だったのでしょう。
入学式の一週間後にはもう、三里塚闘争に「決起」する(笑)という華々しい「デヴュー」を飾っておきながら、半年間ばかりは、毎日キャンパスに出掛け、正門前でビラを撒き、ハンドマイクで延々と意味不明の「アジ演説」を喚き(笑)、ほぼ連日機動隊とやり合い、あ、それは今も同じか(笑)?、夜にはタテカンを描き、そんな気真面目なサラリーマンのような(笑)「活動家」暮らしが続いたものの、秋深まる頃にははやばやと(笑)、いわゆる「挫折」という筋書きで、確かになかなかに重大な「敗北」という局面ではあったのですが、今から思えば(笑)人が「運動」に「挫折」するのに、特に「理由」は要さないのであって、「勝利」のただなかにあってさえ、いや、あってこそ、「絶望」してしまうことは、大いに、あり得る、いずれにしても、爾来、私は、どうやら「挫折」が、定期的に(笑)発症する「持病」のようなものになったようであります。
ことさらに「肉体労働」の香りのするアルバイトだけには辛うじて精を出して、ただ人生を「流す」だけの日々にもさすがに飽きてきていたから、なんとか、諸々の「不正手段」も含む(笑)あらゆる方法で単位をかき集め、所属学科の「教室」が推薦状を出してくれる、何をするのかよく知らなような(笑)「会社」に、しどろもどろの面接だったにもかかわらず、そういうところばかりは、大学の「ネームバリュー」が効果を発揮するみたいで、ちゃっかりと、憎んで止まないはずの(笑)、「エリート主義」に乗っかっているわけです(笑)、四年時の夏には、就職が決まっていた筈だから、その公務員試験もその頃の筈、だから、いずれにしても、大してやる気はなかったには違いない。一般教養の数学、のような科目だったのかな?一つ、今でも覚えている問題があって、


長さ○○メートルの細長い紙片、だか、布、だかを、半径△△ミリの芯に巻きつけていく。紙片、だか、布、だかの厚みを▼▼ミリとすれば、出来上がった巻物の半径は、どれくらいになるか?

四十年もそれを覚えているのは、もちろん、理由があります。試験が終わった後、学生食堂できつねうどんなどをすすっていると、隣席のきっと賢そうな文科系の学生さん、ああ、あれは楽勝だったね、とばかりに論評しておられる(笑)。仮にも「理工系」(笑)の筈の私には、その問いを前にして何をしたらよいのやらさえ(笑)かけらも思いつかなかったのに?さすがに自分の直近四年間の年月が、まったくの「無意味」なものであったのでは?、さらにそこから帰納的に遡及して(笑)、私の「人生」そのものさえ、疑問に付されているかのようで、いわゆる「忸怩たる」思い、にとらわれたからなのでしょう。今となっては(笑)、「人生が無意味」と言われたくらいでは(笑)びくともしませんが(笑)、だってその通りだし(笑)、二十代前半の「前途有為」と根拠なく思いこんでいたかも知れない「青年」には(笑)、いくら「やる気なし」とは言っては見ても、ショックだったのかもしれません。
四十年ぶりに(笑)復習してみることにします。せっかく覚えていたのだから、その「気掛かり」に決着をつけて、「成仏」したいからですね(笑)。

この話、実用的には、トイレットペーパーとか、食品ラップとか、食品用アルミホイルとか、そういうものの設計に用いられているはずですね。アルミホイルもラップも、そんなもったいないもの(笑)、私、使いませんから、トイレットペーパーの例示にします。実際には、紙が途切れなく巻きつけられていくのですが、「近似」としては、バームクーヘンのように、薄い円盤がいくつもいくつも重なっているように見立ててもよいでしょう?芯の半径をr0、紙の厚みをd、とすれば、n回巻きつけられた状態の円柱の半径は、r0+ndとなるでしょう。これをRと名付けましょう。



では、ここまで巻きつけられた紙の総延長、こちらはLとしよう、は、

記憶の中での公務員試験の問題の設定なら、r0dLが既知で、Rを求めたいのだから、nを消去することになる。


この2次方程式を解くことになるんだろうな。やや怪しい気もするが(笑)、何とか四十年ぶりの「リベンジ=復讐≒復習」は、なったことになる(笑)。
実際には、紙の厚さが測定できることはなく、逆に出来上がった円柱の半径はわかるだろうから、そこから逆に、紙の厚さを算出することができることになろう。やってみよう(笑)。写真に掲げた商品は、「地球にやさしい」(笑)、100%古紙再生、芯なし、紙の全長は130mとのこと。物差しの目盛を読み取ると、
r0=18
R=55
そして、
L=130×103

L/πとRr0とは、3桁以上の開きがあるから、分母の第2項は無視して差支えない。

0.065ミリ、へ、へ(笑)、ま、そんなもんだろ?オチのない話だ(笑)。

もう一つ、応用例、蚊取り線香(笑)。


r0=0
R=nd=59
こちらは、dnも、数えられる。
d=15
n=4
では、この蚊取り線香一本を、まっすぐにのばした(笑)としたら、全長Lは?

約1m?ほんとかよ(笑)?4巻目くらいの円を平均として、その半径およそ4センチばかり、円周率3にして、その周24センチ、なるほど、それが4巻きあれば、そのくらいになってもおかしくないか?意外だな(笑)、人間の「感覚」って当てにならないな、って謙虚な気持ちになれるから(笑)、こんなくだらない計算も「役に立つ」のだ。
この蚊取り線香のパッケージによれば、一巻きで6時間持続、とのことだから、
926.3÷(6×60)=2.57
1分間で約2.5ミリ燃える、あるいは、
(6×60×60)÷926.3=23.3
1ミリ燃えるのに約23秒かかる、なるほどね(笑)!
スーパーの店先では、「1.6倍長持ち」と銘打った、径の長い蚊取り線香も販売されていて、「内地」のスーパーの陳列の有様を、もう、思い出せないが、こんなに蚊取り線香コーナーが充実しているのは、あるいは当地の特徴かもしれない、方言で「がじゃん」と呼ばれる各種の「蚊」、双翅目の昆虫、種類はさほど異なるようにも思えないが、それぞれの個体の大きさは、亜熱帯の豊かな植生を反映してか、いささか大きいようである。「清明」、二十四節気の一つ、四月上旬、当地では「しーみー」と呼ばれ、墓の前に一族の者が集い、ご先祖と「共食」の儀礼を執り行う、そんな行事や、「びーちぱーりぃ」、これはアメリカ英語のbeach partyの正確な聞き取りであって、占領時代に由来する語彙だろう、でのBBQなど、屋外での催しには、欠かせないアイティムではあろう。
では、総延長Lが、m倍であるためには、半径Rは、何倍、すなわち、巻き数nは何倍でなければならないだろうか?

こんな結果だ。「1.6倍長持ち」なら、半径、すなわち巻き数は、1.3倍くらい、この場合、4回巻かれていたものが5回になる、だた一巻き増やせばよいことがわかった。