一辺の長さ
L
の正方形の、厚さは無視できるほど薄い、質量
M
の均質な金属板がある。
これ正方形の一辺に垂直な線に沿って、3分の1のところで折り曲げて、L字型にする。
これを図のように板の上にのせ、板と水平面のなす角
θ
を0から次第に大きくしていく。
転倒するより、先に滑りはじめるための、板と金属板の間の静止摩擦係数
μ
の満たすべき条件は?
滑りはじめるより、先に転倒する場合、転倒するときの
θ
の大きさは?
(2)[力と運動・力のモーメント](2010本1_4)
1
鉛直方向(つりあいの式)
・・・(1)
水平方向(つりあいの式)
・・・(2)
L字型の角をA点としたとき、A点まわりモーメントつりあいを考える。
問題は、垂直抗力
N
の作用点がわからないことだ。これをA点から
x
の位置にあるとする。
・・・(3)
静止摩擦力に関する条件
・・・(4)
未知数
f
,
N
,
x
に対して、条件式(1)(2)(3)であるから、解ける。
(2)より、
・・・(2')
(1)に代入して、
すなわち、
(2')より、
これらを(3)に代入して、
滑るよりも先に転倒するならば、転倒する瞬間、垂直抗力
N
の作用点は、L字型の角、A点になっている、すなわち
x
= 0 であるから、
このときの角度を、
θ
=
θ
1
とすれば、
一方、静止摩擦力に関する条件(4)から、
滑り始める角度は、この式の等号が成立するときだから、これを
θ
=
θ
0
とすれば、
つまり、
θ
0
が
θ
1
より小さければ、転倒するより先に滑り始め、
θ
0
が
θ
1
より大きければ、滑り始めるより先に転倒する、
ことがわかった。
2