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(4)(1)(3)(2000本3A)
- 「正しい」実験では、次の2式のC(熱量計の熱容量)が等しいから、
mcA(t0-t1)=C(t1-t)・・・(1)
mcB(t0-t2)=C(t2-t)・・・(2)
次の等式が成り立ち、ここから、cBを求めることができる。
・・・(3)
- ところが、「失敗した」実験では、熱量計の水の一部をこぼしてしまったことで、
- 熱量計の熱容量は、より小さな値C'になってしまっているにもかかわらず、
- それが同じであるかのようなふりをして 、C=C'という等式から、誤ったcB(これをc'Bとしよう)を求めているのである。
すなわち、
mcA(t0-t1)=C(t1-t)・・・(1)
mcB(t0-t'2)=C'(t'2-t)・・・(2')
本来、こんな不等式であるべきところを、
無理矢理等式にするから、誤った値c'Bになる。
・・・(3')
- (3)(3')を比較すれば、cBとc'Bとの大小を比較するには、t2とt'2の大小を比較すればよいことがわかる。
- t'2がt2より大きければ、(3')の分母は、(3)の分母より小さく、(3')の分子は、(3)の分子より大きい。
だから、c'BはcBより大きい。
- t'2がt2より小さければ、(3')の分母は、(3)の分母より大きく、(3')の分子は、(3)の分子より小さい。
だから、c'BはcBより小さい。
- では、(1)(2)および、(1)(2')から、t2 , t'2を解いてみる。
- t2は、t0 , t1をC : mcBに内分した点である。
- t'2は、t0 , t1をC' : mcBに内分した点である。
C'はCより小さいのだから、t'2はt2より高い温度である!