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Permanent
Vacation
パキシル20ミリグラム7日分の処方箋を受け取り、診断書の手数料2100円だけを支払って、本当に何年ぶりだろうというくらい晴れやかな気分で、意気揚揚と引き上げた。ただになったのが、実は何よりうれしい。
あれからほぼ一月、3週目から30ミリグラム、4週目から40ミリグラムに薬は増えた。でも経過はそれほど良好というわけでもない。副作用の吐き気というのが、予想外に激しかった。別に日常生活に支障はないのだけれど、一日中のべつまくなしにあくびが出る。あくびをして口を開けるたびに喉の奥に吐き気を感じる。変な感じ。
ともかく眠い。一日中だるくてだるくて、むしろ薬を飲んで悪化したような気がするときもあった。朝猫たちにえさを出すために起き出して、何とかそれだけ済ますとまたベッドに倒れこみ、夕方仕事に出かけるまで、それこそトイレに行くのもつらいぐらい、これではほとんど「廃人」じゃないか。犬の散歩もきっちりできなくなって、彼らには悪いことをした。
今週ぐらいになってやっと、午前中から起き出せるようになってきた。薬に慣れたのかもしれない。身体のだるさを除けば、気分は結構いい。むやみに落ち込むことは少なくなった。というか、あまりに身体がしんどすぎて、落ち込む余裕もなかった。「うつ病」というのは、実は心の病であるよりは、身体の病なのかもしれない。
一回目の診察のとき、別れ際に先生が言ってくださった。うつ病の治療は薬が半分、休養が半分です。あなたが一日中ごろごろしていたのは、あなたの身体の防御システムが働いていた証拠なんです。ごろごろすることが治療なんです。薬が効いて少し元気になったからといって無理に出かけたりせず、これからも、ごろごろしていてくださいね。
なんていうありがたい言葉だろう。こうして私はあらゆる「頑張る」ことを、「ドクターストップ」されたのだ!
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龍宮城だより