公園にはいろんなものが捨ててある。犬だけではない。タイヤが4つともパンクしてナンバープレートのない車が「駐車」してあったりする。雑然と荷物が詰め込まれ、それでも時々はその積み荷の配置が変っていたりするから、所有者が時々「利用」しているらしい。そんな軽バンの下に潜りこんで、この子達は住んでいた。もう一匹、シャム系のとてもすばしこい小さな猫といつも一緒で、いつの頃からか犬の散歩の途中にキャットフードを持っていくようになった。毎朝車の下から顔を出して、待っている様子。時々見かけなかったりすると心配になったりもした。
そのシャムの子猫は2月の初めの雨の土曜日の朝、車にひかれて死んでしまった。車のすぐそばにお墓を掘って埋めた。いつものドライフードと、公園の垣根沿いに咲いているハイビスカスの花をおみやげにして。

残されたこの子はうちに引き取った。疥癬というダニの一種が顔の上部に住み着いていてそのおかげですごい顔をしていた。メスだったから避妊手術も受けてもらった。動物病院に連れて行くときはカルテを作らなければならないから名前をつけなきゃいけない。死んでしまったシャムも名前がなかったから、なんかわるい気がしてシンプルに「ミケ」にした。
3週間くらいで疥癬は治ったけど、治ってもやっぱりかなり迫力のある顔をしている。
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龍宮城だより