しかし、よく泣く猫だ!
うちの隣は、弁護士の邸宅なんだけど、その庭から、もう3時間ばかりになるかな?子猫の泣き声が、ずっーと聞こえてくる。
「ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ。」
って。今日は仕事が早く終わる日だから、早々と酔っ払って寝かかってたんだけど、これでは安眠できん。
まだ母乳が必要な子猫が、母親とはぐれてしまったんだろう。母猫は、子猫たちの居場所を頻々と変える。そのテリトリーを仕切っているオス猫や、そのテリトリーを仕切っている人間、えっと、つまり不動産所有者とか、子供とか・・・、からの攻撃を避けるよう本能が命じているんだろう。移動するときは、そう、それこそ「クロネコヤマト」みたいに・・・、
首をくわえて一匹ずつ運ぶ。でも、全員運び終わらないうちに、何か緊急事態が生じて母親が戻ってこれなくなったりすることもあるんだろうな。母親が居ない間に、子猫がよたよた歩き回って、場所がわからなくなったり、そんなこともあるんだろうな。私が遭遇して、「拾わざるを得な」くなった子猫たちも、そうゆう事情だったんだろうな。
私は、猫が「かわいい」から拾っているのではない。「所有」したいから拾っているのではない。
私が「発見」してしまって、このまま「放置」しておけば、確実に死んでしまうことが「明らか」なとき、そのことに対して、その何かしら「倫理的」な「責任」を負わなければならないストレスに、耐えられないから、拾っているに過ぎない。もちろんこれは「善意」とか「博愛」とかとは何の関係もない。いや、「善意」とか「博愛」とかの意味も私にはわからないけどね。
自分の行為とほぼ何の関係もない事態に「責任」を感じてしまうのは、単なる「病的」な心性だ。だから自慢もしないし、「わかってくれ」とも言わない。
母猫が帰ってきて、あったかい母乳にありついて、この子猫が泣きやむのをあと2時間ばかり待った。もう、夜半過ぎていたかな?他人様の庭だから、おそるおそるかざした懐中電灯の光の中に、まっ白くてちっちゃな子猫が、全身で泣いている姿がとらえられてしまった。
実は、お隣とは仲がよくないんだよ。車の停め方とか、どこにでもあるちっちゃな「争い」。うちでご飯を出している野良猫たちが、お隣の庭でうんこをしてるはずだから、申し訳ないとは思うけど・・・。
だから、深夜に庭に侵入したら、「告訴」されるかもしれない。慎重に戦術を検討した後、コンクリートブロックの塀を乗り越え、敷地境界線から約1メートルの位置にいる「ターゲット」を速やかに捕獲・回収する作戦を敢行した。
こうして、「ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ、ぴーぃ。」は、うちの部屋の中に移った。何か「解決」したのだろうか?
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