「平面」を「線」でいくつかの部分に分割し、色を塗り分ける。
ただし、分割された部分の、どの二つを選んでも、それらは互いに「線」をはさんで隣接していなければならないし、かつ、
隣接する区画には同じ色を塗っては、ならない。
「平面」はその四周に無限の広がりを持っているが、「無限」を描くことが出来ないので、私たちは、便宜的に、長方形のようなものを用いている。従ってこの長方形の四周は、「無限」に向かって広がっている。
長方形の4辺の、ほんの一部でも含んでいる区画は、「無限」に向かって「開いて」いるから、「開区画」と呼ぶことにする。
上の条件を満たしながら、「平面」をすべて「開区画」によって構成しようとすると、最大3つまでしかとることが出来ない。長方形の真ん中に一つの点をとり、そこから「外」に向かって「無限」にのびていく「線」を考えると、そのような線は、3本までしか引けない。4本引くと、点を挟んで向かい合わせの区画が、互いに隣接しないことになってしまうからだ。
   

長方形の4辺と一切つながりを持たない区画を「閉区画」と呼ぶ。
上の「開区画」の分割図の上に、楕円状の「閉区画」を浮かべてみる。二つ以上の楕円を、相互に離れて浮かべることは出来ない。それら二つの楕円が隣接しないことになってしまうからだ。
「開区画」が1個である場合、楕円状の「閉区画」をその内部で分割してみると、やはり、楕円の真ん中の1点から「外」に向かって延びる「線」は3本しか引けないから、最大3個の「閉区画」、外側の「開区画」1個をあわせて4区画が最大である。
   

「開区画」が2個の場合、その境界線上に1個の楕円を浮かべて、さらにその楕円の「閉区画」を分割しようとすると、2個までしか出来ない。「開区画」2個とあわせて、やはり最大4区画である。
 

「開区画」が3個なら、その境界線の交点の上に楕円を浮かべると、もはや楕円自体は、分割できない。「閉区画」1個と「開区画」3個、やはり4個であった。


世界が4つの区画に分割され、その中からどの2つを選んでも、必ず互いに隣接しているなら、4C2=6種の、その両側が異なる色で塗られた「境界線」が存在する。下の図の場合なら、
楕円の周囲に、赤―黄、赤―茶、緑―茶、緑―黄、楕円の内部に、赤―緑、楕円の外に、黄―茶、の6種。


たしかスイスという国は、フランス、ドイツ、イタリアの3カ国に囲まれていて、だからフランス語、ドイツ語、イタリア語、それに加えてロマンス語が公用語なんだ、と記憶していたが、見てみると、オーストリアとも国境を接している。したがって、オーストリアとフランス、ドイツとイタリアは、それぞれ隣接しておらず、上の条件に合致しない。
お?、ルクセンブルクは、上の、

型、だね?
ドイツ、ベルギー、フランス、ルクセンブルクの間には、6種類の異なる国境、
ドイツ―ベルギー国境、ドイツ―フランス国境、ドイツ―ルクセンブルク国境、ベルギー―フランス国境、ベルギー―ルクセンブルク国境、フランス―ルクセンブルク国境、が、存在する。

バチカンは、ローマ市の一部でありながら、国家のステータスをもっている。これは、

型、だ。バチカンの国境は、バチカン―イタリア国境、しかありえない。2C2=1ということだ。

フランス、スペイン国境にあるアンドラ公国は、

型、ですな。アンドラ―フランス国境、アンドラ―スペイン国境、フランス―スペイン国境の3種の国境がある。これは、3C2=3に対応する。