1. 定理1.4を証明せよ。

    定理1.4     {an},{bn}が収束するとき、次が成り立つ:
    1. (cnに無関係な定数)

    [証明] 以下、とする。
    1. であるから、任意の正数εに対して、
      nN1のとき、となるN1および、
      nN2のとき、となるN2が存在する。
      ここで、N1,N2のうち、小さくないもの、を、Nとする、すなわち、N=max(N1,N2)とすると、
      nNのとき、nN1かつnN2であるから、

      これは、任意の正数εに対して、
      nNのとき、であることを示している。すなわち、

    2. であるから、任意の正数εに対して、
      nN1のとき、となるN1および、
      nN2のとき、となるN2が存在する。
      ここで、N1,N2のうち、小さくないもの、を、Nとする、すなわち、N=max(N1,N2)とすると、
      nNのとき、nN1かつnN2であるから、

      これは、任意の正数εに対して、
      nNのとき、であることを示している。すなわち、


      注:上では、以下を用いた。
      |A+B|≦|A|+|B|
      B'=-Bとおくと、|A-B'|≦|A|+|-B'|=|A|+|B'|
      よって、|A-B'|≦|A|+|B'|
    3. であるから、任意の正数ε'に対して、
      nNのとき、となるNが存在する。
      nに無関係な定数cに対して、

      ここで、|c|ε'=εとおくと、任意の正数ε'に対して、正数εをとることができるから、
      任意の正数εに対して、
      nNのとき、すなわち、

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