一番はじめに拾ってしまった猫です。去年の8月の初め、家のすぐ近くの道路を車で走っていたんです。何か対向車が立ち往生している。見るとヘッドライトの中で、よちよち歩きの小猫がすくんでいる。這うことしかできないくらいで、どうやって道路の真ん中に出てきたのかも不思議。
車から降りて、捕まえようとしたんだが、タイヤの下に隠れようとする始末。ともかく、近くの草むらに逃がして、その場は立ち去りました。
翌日どこかでお酒を飲んでタクシーで帰ってきた。タクシーから降りると切ない小猫の泣き声がする。昨日の草むらなんですね。隠れもしないで全身で鳴いています。丸一日、炎天下の中をよく生き延びたものだ。酔いも手伝っていたかもしれないが、半ばしょうがなかったですね。連れて帰りました。片手の手のひらにのりましたよ。
こうして「親バカ・育児日誌」が始まるわけです。スーパーマーケットのペットフード売り場は自分には関係ないと思っていた。猫のトイレ用の砂、最近はすごいんですね、森林間伐材を用いた軽くてエコ・コンシャスなもの、紙製で水洗トイレに流せるもの、吸湿性にすぐれているが重たいベントナイト製のものとか、いろいろ種類があるみたいです。
みなさまのご協力のたまものです。浦添の「R動物病院」のみなさまにもたいへんお世話になりました。私の名前と住所の入った「予防接種証明書」をいただいた時は、さすがにほろっとしましたね。
当初350グラムだった体重も、今は多分その10倍近く。胃腸が弱くて下痢ばかりしていた。1缶190円もする療養食をずっと食べさせなければならなかった。やっと治ってきたと思ったら今度は、膀胱炎。すくすくとは言えないけれど、ともかく育ってくれているようです。
おそらくもともと生き延びれるはずもなかった生き物が、こうして今もそばで生暖かい寝息を立てている。それが「理」にかなったことかどうかはわからない、とりあえず生きてしまっていることに「理」もへったくれもないのでしょう。
「にょろ」と申します。よろしく。
戻る
龍宮城だより