悲しい話。

「たぬき」っていう、一番付き合いの長い野良猫、エイズと白血病の両方にかかっているから、他の猫といっしょに飼えない、ずっと野良のまま毎日えさを出して、時々状態が悪くなるとお医者さんに連れていっていた、その子が、一週間前から行方不明になってしまった。

ちょうど連休だから、続けて病院につれていって、エイズのせいで治りにくくなっている鼻炎を完治させてあげようと思っていた矢先だった。

動物を飼うということは、いつかこんな日がくることを、覚悟しておかなきゃいけないんだろうな、と漠然とは考えていたし、しかも、白血病だから2年ともたないとはいわれていたけれど。

先週のちょうど火曜日に、病院につれていって皮下点滴を打ってもらった。冷たい液が入ってくるのが気持ちよかったのかもしれない、身体を押さえられながらも「うーううー」ってうなってた。「バーマン」っていう品種の血が混じっていて、ほんとに目が青いの。あのときの目の色と、両手で押さえていた前足のぬくもり、きっと一生忘れられないだろうな。
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龍宮城だより