1. 海軍、ビエケスで爆撃演習再開(2001/05)
  1. 抗議行動、海軍の演習をふたたび妨害(2001/04/29)
  2. 米海軍、ビエケス島での爆撃演習再開・抗議行動によって1時間演習中断(2001/04/28)
  3. ビエケスにおける海軍の爆撃演習再開・連邦裁判官、演習の中止を求めるプエルト・リコ側の訴えを却下(2001/04/27)
  4. プエルト・リコ、ビエケス市長、ダマソ・セラノ・ロペス氏の声明(2001/05/02)
  5. ホセ・E・セラノ下院議員、抗議行動参加者に対する海軍の不適切な処遇につき、合衆国司法長官に質問(2001/05/02)
  6. ビエケスの非拘束者の安全につき、海軍に責任あり(2001/05/02)
  7. キリスト教平和形成チームの代表団4人、プエルト・リコ、ビエケスで逮捕(2001/05/02)
  8. 海軍はビエケスでの爆撃演習をやめるべきだ(2001/05/01)
  9. ビエケスへの緊急資金援助のお願い(2001/05/01)

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抗議行動、海軍の演習をふたたび妨害

キャンプ・ガルシアの周囲のフェンスを切る抗議者の一人、背後には警備にあたる機動隊が見える(金曜日) (写真:AP)

オルランド・センティネル紙
2001年4月29日

ビエケス、プエルト・リコ、4月28日
昨日につづき本日もまた、何十人の抗議者たちは海軍の射爆場に立ち入り、砲火の前に身をさらすことによって爆撃演習を妨害した。
海軍の担当者によるとこの日は56人が逮捕された。海軍は昼過ぎ、艦砲射撃を一時中断し、900エーカーの着弾地内から抗議者たちを排除したが、この時排除された人々の中には、環境派弁護士で活動家でもあるロバート・ケネディー・Jr、俳優のエドワード・ジェイムス・オルモス、そしてニューヨークの労働運動のリーダーであるデニス・リベラの姿もあった。
この抗議行動によって夕方まで演習が中断されたが、海軍はプエルト・リコ当局に対し抗議行動を制圧するために機動隊の出動を要請した。

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米海軍、ビエケス島での爆撃演習再開

抗議行動によって1時間演習中断

エドワード・ウォルシュ
ワシントン・ポスト紙
2001年4月28日

爆撃演習に伴う銃撃とジェット機の爆音がビエケスに戻ってきた。海軍は昨日、プエルト・リコ政府の反対にもかかわらず演習を再開、これに抗議する人々は、演習場に隣接する小さな島に侵入することで爆撃演習を一時中断させた。
海軍の広報担当ジェフ・ゴードン大尉によると、「模擬弾」とも呼ばれる不活性弾を用いた演習は午前9時、海軍のA-4戦闘機3機が島の東端の着弾地に飛来し何発かの25ポンド弾を投下することをもって開始された。
しかしほどなく、爆撃演習場からわずか200ヤード北西に位置するヤイ・キーという小さな島に8人の抗議者が発見されたため、演習は約1時間にわたって中断された。彼らは連邦保安官によって逮捕され、島から排除されたとのことである。
約1時間後、USSラミッジおよびUSSピーターソンの2隻の駆逐艦がその5インチ砲から演習場に向かって70ポンドの不活性弾を発射しはじめた。ゴードン氏によればこの砲撃は夜まで続くとのことである。
昨日の事件は、ビエケスの爆撃演習をめぐる長期にわたる感情的な対立の一局面である。海軍はこの演習場が、海・空および海兵隊陸上部隊にリアルな訓練を施すために必要不可欠であると主張している。ほぼ60年間にわたって使用されてきたこの海軍演習場は、プエルト・リコ住民の反感の源となってきた。1999年4月、海軍に雇用されていた民間人警備員デビッド・セインズ・ロドリゲスが海兵隊F-18戦闘機が誤って投下した2発の爆弾によって死亡して以来、その怒りは沸騰していた。
爆撃演習は来週初めから更に強化される予定である。海軍当局者によると、空母USSエンタープライズ率いる12隻の艦隊が本日ビエケス沖に到着することになっており、月曜日から数日間にわたる演習を開始する。1万5千人の水兵と海兵隊員からなる同艦隊は、その後ペルシャ湾に向かいUSSハリー・トゥルーマン率いるもう一つの艦隊と交替することになっている。
爆撃演習の再開はプエルト・リコ本島においてもその離島であるビエケス島においても、抗議行動を誘発した。サン・ファンを車のキャラバンで出発し、ビエケスへのフェリーへと乗り継いできたおよそ400人の人々が、夜半過ぎにビエケスに到着、「海軍は出て行け!」とのスローガンを唱和した。
ゴードン氏によると、昨日の午後抗議者たちは海軍敷地内に発煙筒を投げ込み山火事を引き起こしたほか、海軍の車両に石を投げて窓を壊した、とのことである。また、昨日の昼過ぎ、49人の抗議者が同島の海軍施設であるキャンプ・ガルシアの入口から100ヤードのところに設置されていたフェンスをなぎ倒したが、これらの抗議者は海軍の警備部隊によって拘束され後に連邦保安官によって逮捕されたとのことである。
ゴードン氏は、施設外での警備のために配置されているプエルト・リコ警察について「抗議者たちがフェンスを切り取り海軍の敷地に侵入しようとしているのを目撃しながら、何も手を下さなかった」として失望をあらわにしている。
昨年の知事選挙に際して、海軍のビエケスからの撤収を中心的な選挙公約としてきたプエルト・リコ新知事シラ・マリア・カルデロン氏は1月の就任後、さっそくこの問題を大きく取り上げている。カルデロン氏をはじめとする海軍に批判的な人たちは、演習によって島の9千3百人の住民の健康や環境が害されると主張している。
カルデロン氏は今週初めプエルト・リコ議会に騒音防止法案を可決させ、これを連邦裁判所による演習差し止めの法的根拠としようとしてきた。しかし裁判官は、演習が人体に及ぼす影響についての医学的な調査が完了するまで海軍は爆撃演習を延期すべきだと判示する一方で、演習差し止めの訴えは却下した。
カルデロン氏は人民民主党の党員であり、合衆国自治領プエルト・リコの州地位獲得には反対している。海軍広報官のゴードン氏は自治領の独立を求めるプエルト・リコの民族主義者たちによってこの問題は利用されているのだと非難する。1999年の事件以降海軍の敷地に侵入して拘束された約500人のうち90パーセント以上が、ビエケスの住民ではなくプエルト・リコ独立党のメンバーだと彼は言う。
この問題はまた合衆国本土の政治家、とりわけプエルト・リコ系人口の集中するニューヨークの政治家たちの関心も集めている。ヒラリー・ロドハム・クリントン上院議員〈民主党・ニューヨーク州選出〉も爆撃に反対を表明しているし、ニューヨーク州知事のジョージ・E・パタキ氏〈共和党〉も最近ビエケスを訪問し、同様の見解を表明している。
1999年の事件以降一年以上にわたって抗議者たちは演習場を占領していたが、昨年5月に連邦保安官によって排除された。今回の演習はそれ以来5回目のものとなるが、いずれも不活性弾〈実弾ではない〉を用いた演習である。2000年1月にクリントン政権はカルデロン氏の前任者、ペドロ・ロセッジョ知事と合意に達した。その内容は、11月までにビエケス住民による住民投票を実施し、2003年5月までに海軍が島を撤収するか、実弾による爆撃演習再開を認めるかを決する。海軍支持票が反対票を上回れば合衆国政府は4千万ドルのプエルト・リコ振興予算を出すとしている。
昨日のビエケスでの抗議行動は非暴力的に行われた。海軍施設の入り口近くのフェンスを切って侵入したグループは直ちに地面に伏して海軍当局に対する無抵抗を示し、あるいは手錠をかけられるために両手を差し出していた。
ゴスペルの流れる中、「ビエケスに平和を!」と何人かが叫んだ。
ホワイトハウス前でも、約40人が集まり英語とスペイン語のプラカードを掲げ爆撃再開に講義する小さな集まりが行われた。

ワシントンのデビッド・ファーレントホルトとビエケス特派員ローラ・アルベルテッリの報告による。

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ビエケスにおける海軍の爆撃演習再開

連邦裁判官、演習の中止を求めるプエルト・リコ側の訴えを却下

海軍に反対する人々によって、キャンプ・ガルシアのゲートの外側に作られた墓(写真:トーマス・ヴァン・オートリヴェ、AP)

ビル・ミラー、エドワード・ウォルシュ
ワシントン・ポスト紙
2001年4月27日

連邦裁判所がプエルト・リコ政府から提起された演習に対する緊急の差し止めの訴えを却下したことから、海軍は本日から数千人の兵員を動員する爆撃演習をビエケス島において開始しようとしている。連邦地方裁判所のグラディス・ケスラー判事は昨日、プエルト・リコ政府側の代理人が主張する、爆撃演習によって9300人の島民が「回復不可能なほどに」害されるとの議論は、今回の演習が不活性弾(「模擬」弾)によって実施されることに鑑み根拠がないと判示した。演習はながらく、爆撃に伴う爆音が島の住民の健康障害をもたらすとして、プエルト・リコ人たちの怒りの対象となってきたのだ。
しかし、ケスラー判事は同時にこの問題に対する海軍の強引なやり方をも批判しており、今後いかなる演習を実施するにしても現在行われている医学的な調査の結果を待つべきだとも指摘している。
この決定は、ビエケス島の海軍による使用を終了させることを公約として本年就任したプエルト・リコ知事のシラ・マリア・カルデロン(民主党)氏にとっても一歩後退となった。みずみずしい丘陵地帯とビーチからなる52平方マイルのこの島は海軍大西洋艦隊の爆撃演習場として長らく使用されてきたのだ。この問題はプエルト・リコ政界、宗教界、地域の様々な派閥を海軍の撤収という一点に向けて団結させる役割を果たした。
裁判が行われている間にも、1万2千エーカーに及ぶビエケス島の立ち入り禁止区域には何人かの有名人が侵入し、逮捕されるまでとどまりつづけると公言している。
「ビエケスの兄弟への連帯の証として、私はみずからを犠牲にしたいと思う」とノーマ・バーゴス上院議員は話している。彼女はデビッド・セインズ・ロドリゲスさんの妹、ミルタ・セインズさんに同行した。民間人警備員デビッド・セインズ・ロドリゲスさんは1999年4月に海軍の誤爆により死亡、この事件を契機に爆撃演習場の返還を求める運動が活性化した経緯がある。 ビエケス市長ダマソ・セラノ氏も昨日、海軍担当者に対して、彼らは「私たちの闘いを止める一切の道義的権威を欠いている」と指摘した書簡を送った後、演習場に入った。
サン・フアンでも昨日、宗教団体、地域団体の主催になるデモが行われた。また本日もさらに多くの抗議行動が予定されている。サン・フアンから東岸のファハルド市、そこからさらにフェリーでビエケスへのキャラバンに、何百人もの人が参加する予定である。
海軍筋によれば軍事演習は4ないし5日間を予定しているとのことである。海岸から3マイルに碇泊している船舶から演習場内の目標に向かって1日300発が発射され、(空からは)およそ600発の、非爆発性の爆弾が着弾地に投下される。 航空機と船舶の一部は今日にも演習を開始するが、軍事行動が本格的に開始されるのははUSSエンタープライズ艦隊が、所属の12の船舶、1万五千人の水兵及び海兵隊員を伴って演習を開始する土曜以降になると海軍筋は語っている。 プエルト・リコ議会は海軍演習の再開を阻止するために月曜日に騒音防止法を可決し、この法律は火曜日にドナルド・H・ラムスフェルト国防長官および海軍当局を相手取って提起された訴訟のきっかけとなった。
法務省代理人のアンジェリン・パーディー氏は、合衆国は主権に基づく特権を有しているため、プエルト・リコの法律に法的には拘束されないと主張している。ケスラー判事はその判決においてはこの議論を援用しなかった。
昨日の双方の弁論を受けて、ケスラー判事は緊急の差し止めを行うべき理由を見出し難かったとする。しかしながら、彼女は今後においてさらに十分に法的事実を検討した上、将来にわたる演習の全面的な差し止めを含む命令の可能性を示唆した。
「今回実施されるこの特定の散発的な4ないし5日間にわたる爆撃が、・・・ビエケス島民に回復不可能な損害を及ぼすとの結論には達さなかった。」と彼女は述べる。
海軍は昨年6月、8月、10月、12月に演習を実施した。500人以上の人々がこれらの演習に対する抗議行動によって逮捕され、そのため本日のような「厳重な警備体制」が実現されたといわれる。
今回の訴訟が直接的な目的を達成はできなかったとはいえ、カルデロン氏はプエルト・リコは最終的に勝利すると断言する。「私たちは必ず勝ちますよ」と彼女は述べる。
このカリブ海の爆撃演習場における海軍と海兵隊の上陸演習等の軍事行動はほぼ60年間にわたって続けられてきた。法廷に提出された文書によると法務省は同演習が「これまでも、さらに今後においても合衆国軍隊の即応性の維持にとって死活的な重要性を持っている」としている。演習に参加した海軍と海兵隊の部隊はほどなく、ペルシャ湾に派遣され、当地に配備されている部隊と交替することになっている。
セインズ・ロドリゲスさんの氏以降、一年間にわたって抗議者たちは海軍の爆撃演習場を占拠してきた。しかし演習はついに、当面は模擬弾によるものとはいえ、再開されてしまった。2000年1月のプエルト・リコ政府とクリントン政権との間の合意によって、4千万ドルに及ぶ地域振興予算の引き換えに。この合意によれば、プエルト・リコの有権者は11月の住民投票によって海軍のビエケス駐留を認めるか否かを決することになる。
1月に知事に就任したカルデロン氏は、以来ブッシュ政権に対しプレッシャーをかけつづけ、ラムスフェルド氏をして3月の演習を取りやめさせるまでに一時的な猶予を勝ち取ってきた。そして、4月11日に海軍が新たな演習の開始を通告すると、今度はカルデロン氏と議会は騒音防止法令を通過させようと努力してきたのだ。

サン・フアンのジョン・マリノ特派員のレポートによる

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本日合衆国議会前で行われた記者会見には以下の国会議員が参加し、ビエケスにおける合衆国軍隊の演習を、ただちに、かつ、恒久的に中止するよう求めた。 ブロンクス区長フェルナンド・フェレール氏も記者会見に出席した。また、ビエケス市長ダマソ・セラノ氏は、過去一週間にわたってビエケス演習場にて自らの身体を盾として抗議行動を行った結果逮捕されたが、サン・フアンにおいて釈放後、以下に掲げる声明を発表した。

プエルト・リコ、ビエケス市長、ダマソ・セラノ・ロペス氏の声明

2001年5月2日

まずはじめに、ビエケスにおける爆撃演習を止めさせるこの闘いにこれまで支持を与えてくださり、こうして今も、そしてこれからも引き続き支援してくださるすべての人々に対して感謝の気持ちを伝えたいと思います。今日、議会前に集まって、ビエケスにおける合衆国の軍事演習をただちに、かつ、永久に終了させるために、再び声を上げてくださった国会議員の皆様にも感謝の気持ちを送ります。
私はその美しい島の市長です。私は今、尊厳を有したよりよい生活を、みずからのみならず子孫のためにも、求めて日々闘う人々を代表して発言しています。合衆国海軍の、私たちの島における、不公正で思慮のない爆撃という行為によって、肉体的のみならず、感性的にも殺されつつあるこの島の男女、のみならず子供たちをも代表して発言しています。
私は今プエルト・リコのサン・フアンからこの手紙を書いています。私は過去7日間、4月25日から5月1日まで、自らの身体を盾として演習を阻止しようとしたたくさんの仲間たちとともに、ビエケス島の爆撃演習場にいました。この行動に出る以前にも、私は海軍はビエケスから撤収すべきだと確信していました。しかし、演習に参加した船舶が私たちの島に焼夷弾を撃ち込み、徹底的に破壊した上で立ち去る様を、そして、私たちのこの島の子供たちを孤児にしてきたその武器で私たちにねらいをつける様をこの目にした今、私は決して歩みを止めない、海軍がビエケス、そう、私たちの「赤ん坊の島」を去るまで、ただ一歩たりとも後退しないことを、心の底から誓いました。
ブッシュ大統領殿、私が爆撃演習場の中にいたなんて何と無責任な、とお考えかもしれません。しかし私はビエケス住民の市長なのです。私はビエケス住民が昨年11月7日の選挙において、私に信任を与えてくれたところの義務を果たしているだけです。私は住民の安全と健康、福祉のために行動しました。彼らの尊厳と、平和的生存を防衛するため、私はこのように行動しましたし、これからも行動します。
大統領閣下、私たちはあなたが大統領として導く国家の市民です。私たちは合衆国市民です。私は私が市長として担うべき責務、すなわち、それがなにものであれ住民を害そうとするものから住民を守ること、その責務を果たそうとしてきました。今度は、あなたがあなたの責務を果たすべき時だと思います。あなたがあと1分たりとも、海軍のビエケス駐留を許すのならば、この島で生じつつあるすべての殺害と破壊に対して、海軍のケビン・グリーン氏と同程度の責任を負わねばなりません。毒物、汚染、その他の海軍の行動に起因する危険により死亡し又は疾病にかかるビエケスの人が、一人また一人と現れるたびに、あなたの責任は重くなっていくのです。もうずっと以前に停止されてしかるべきジェノサイドを、あなたが止めようとしないのならば。
ブッシュ大統領殿、合衆国軍の総司令官であるあなたに、再び、あらためて求めます。私の島の住民、それはあなたの国民でもあります。その住民の安全のために行動されんことを、あらためて求めます。大統領閣下。
海軍が爆撃を停止し、ビエケスを撤収するまで、平和を求める私たちの闘いは続きます。ありがとうございました。

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ホセ・E・セラノ下院議員、抗議行動参加者に対する海軍の不適切な処遇につき、合衆国司法長官に質問

ワシントンDC、2001年5月2日

ワシントンDC、5月2日。ホセ・E・セラノ下院議員(民主党、ニューヨーク州)は連邦検事総長ジョン・D・アシュクロフト氏に対し、ビエケスで逮捕された抗議者に対する海軍警備担当者たちの不適切な取扱いの疑いがあることに関し調査を求めた。
セラノ氏はこの問題を、本日レイバーン・ハウス・オフィス・ビイルディングで行われた通商・法務・国務・裁判関連省庁小委員会予算公聴会の場で取り上げた。アシュクロフト氏は法務省の予算要求のために、予算委員会の同小委員会に出席していた。
本日、セラノ氏はまた、ビエケス爆撃中止を政府に求める、下院議員たちの議会での記者会見にも参加した。
セラノ氏はアシュクロフト氏に対し、逮捕された抗議者たちが不適切な取扱いを受けていること、例えば、現在逮捕されている下院議員のルイス・ギテレス氏は速やかに保釈を受けることを認められなかった等の疑惑について調査を求めた。
以下は、本日の公聴会における質疑の一部である。

セラノ氏の発言。「すでにご存知の通り、自治州プエルト・リコでは大規模な抗議行動が行われ、200人近い人々が逮捕されています。
ルイス・ギテレス下院議員もその中の一人です。彼によると、不適切な取扱いはもっぱら海軍によるものとのことです。連邦保安官は抗議参加者を尊重と尊厳をもって処遇したとのことです。当地で被逮捕者がどのような取扱いを受けているカについて、何か情報をお持ちですか?」
セラノ氏はまた、ギテレス氏を含むデモ参加者が海軍によって逮捕され、警備用の犬小屋に使われていた屋根のない非衛生的な施設に拘束されていたとの疑惑についてもただした。
「海軍の要員がデモ参加者に対して不適切な取扱いを行った場合、法務省はいかなる行為を為し得ますか?この問題について検討され、御回答いただくことを望みます。」
セラノ氏は、この問題について述べるに際して抗議行動に関するニュース報道についても触れ、また、ジョージ・W・ブッシュ大統領はこのビエケス問題について言及すべきなのにそれをなしていないとも述べた。
アシュクロフト氏は、調査は行われこと、逮捕を認める連邦検察庁の命令に従って事件は取り扱われたこと、しかしこの情報に誤りがあるなら訂正するにやぶさかでないこと、を返答した。また、抗議行動参加者たちが一般刑事犯とは別の施設に収容されたのは、これら犯罪者と被逮捕者が接触するリスクに対する懸念からであったとの説明を受けているとも述べた。
アシュクロフト氏はさらに、この点に関しては憲法上の疑義が生ずる可能性もあるとも述べた。

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ビエケスの非拘束者の安全につき、海軍に責任あり

ワシントンDC、2001年5月4日
プレス・リリース

ビエケスを支持する市民的不服従の行動に参加した人々のうちの何人かは依然として拘束されたままであり、連邦刑務所で不公正な取扱いを受けている、と「ビエケスの救援と発展のための委員会(CRDV)」の広報担当は述べた。「連邦裁判所及び連邦刑務所は、プエルト・リコの海軍の手先となっている。ビエケスのリーダー、イスマエル・グァダルペ氏に何らかの危害が加えられたなら、それは海軍に責任がある」と、CRDVのスポークスマン、ロバート・ラビン氏は表明した。
獄中でハンストを決行している大学教授のカルロス・アリ・サンティアゴ氏、プエルト・リコ独立党党首のルーベン・ベレス氏と、同氏に同行して着弾地に入っていた4人、そしてビエケス在住の北米人パブロ・オラーリー氏の安否も気遣われている。
プエルト・リコ独立党のメンバーたち、オラーリー氏、そしてアリ氏は海軍や連邦裁判所のビエケス問題に関する裁判権を認めず従って保釈金の支払いを拒否している。グァダルペ氏はビエケスにおける不服従運動の長年にわたるリーダーであるため、保釈を認められないままグジャイナボの連邦刑務所に送致された。
グァダルペ氏の妻、ノルマ・トレスさんは、夫イスマエルが1979年にプエルト・リコの州刑務所に送られた、数日後の早朝「まるで誘拐されるようにして」、まずアトランタ、つづいてフロリダ州タラハッセの連邦刑務所に、家族への何らの通知もないまま移送された経験を回顧する。
トレスさんによれば、最近の検査でグァダルペ氏の血中から高濃度の水銀が検出されたとのことである。同氏は現在、腎機能障害に関して神経科医の治療を受けている。このような腎機能障害は、ビエケスにおける軍の演習に起因するこの金属の高濃度蓄積との関連が指摘されている。
22年前、アンヘル・ロドリゲス・クリストバル氏は、ビエケスにおける市民的不服従行動に参加したかどで、タラハッセの連邦刑務所に収監され、そこで暗殺された。グァダルペ氏もここカラカス・ビーチの軍占有地内での同じ抗議行動に参加し、6ヶ月の禁固刑を言い渡され、ペンシルベニア州ハリスバーグの刑務所に服役した。
「彼らの罪は祖国を愛したこと、自分の所属する地域の健康と福祉を守ろうとしたこと、ただそれだけです」、CRDVおよび「平和と正義のキャンプ」のリーダー、ニルダ・メディーナさんは言う。「イスマエルが1979年の裁判で自ら陳述しているように、彼は自分が生まれた土地に足を踏み入れたことをもってして、罪に問われているのです。」

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キリスト教平和形成チームの代表団4人、プエルト・リコ、ビエケスで逮捕

キリスト教平和形成チーム・2001年5月2日







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海軍はビエケスでの爆撃演習をやめるべきだ

ホノルル・スター・ブレッティン、2001年5月1日

海軍は、プエルト・リコ、ビエケス島での爆撃演習を、健康に及ぼす影響調査の検討を待たずに再開した

ブエルト・リコの小さな島、ビエケス島における海軍の演習に反対する抗議行動は、ハワイの住民にとってもすでにおなじみのものになっている。ここハワイのカホラウェ島では同じような抗議行動によって爆撃演習が中止されたし、最近ではオアフ島リーワードのマクア渓谷でも、陸軍の実弾演習を止めようとする運動が起こっている。しかし、海軍がプエルト・リコにおけるこの問題を扱うやり方は、もっとひどいものに思われる。今回の爆撃演習の再開決定はきわめて遺憾なものである。健康に対する影響調査の検討が完了するまで、そして海軍がその決定を尊重すると約束している住民投票の終了まで、爆撃演習は中止されるべきだ。
海軍は無人島のカホラウェでの爆撃演習を、もう10年以上も前に断念した。そしてこの島に残存する不発弾の処理について議会は施策を講じることを約束している。マクア渓谷では、陸軍は1998年に弾薬に起因する山火事が多発した後、演習を中止しており、絶滅のおそれのある希少な動植物の保護について連邦魚類及び野生生物庁と協力を行っている。「マラマ・マクア」というリーワードの活動家グループが提起した訴訟によって、同渓谷における実弾演習が無期限差し止めされている。両者間の見解の食い違いはなお深刻ではあるが、基本的には相互の尊重に基づく和解の方向に向かっているようだ。
これに対して海軍のビエケス問題の扱い方は、とても「尊重に基づく」とは言いがたいものだ。ビエケス島はカホラウェ島よりわずかに広いだけだが、9400人の人口を擁している。ビエケスにおける実弾演習は1999年4月に、海兵隊所属の戦闘機が誤って爆弾を投下し、民間人警備員が死亡するという事故が起こって以降停止されている。海軍は、今年11月に予定されている住民投票によって、住民が海軍撤収を求める意思を表明するならば、2003年の5月までにビエケスを離れると約束している。
海軍は2000年1月に当時のプエルト・リコ知事ペドロ・ロセッジョ氏との間に、住民投票で海軍残留が認められることを条件とした島に対する4千万ドルの経済振興予算と引き換えに、模擬弾を用いた演習再開を内容とする合意を結んだ。この取り引きには何千人ものプエルト・リコ人が反対し、抗議行動を誘発した。この後、調査の結果、激しい騒音への暴露に起因すると思われる心臓疾患の症状が、きわめて多数の住民に見られることがわかった。
前海軍担当官のリチャード・ダンツィッヒ氏はこの1月、連邦健康福祉省が健康影響調査の検討を終えるまで、引き続き演習を停止すべきことを、提案した。しかしダンツィッヒ氏の確認にもかかわらず、海軍は土曜日、爆撃を再開したのだ。
実弾を用いた演習場へのアクセスを要求することは、アメリカ軍にとって適正なことである。しかししばしばそれは地元住民の意思に反するものとなる。このような繊細な問題をいかに取り扱うかという点について、ハワイの軍のリーダーたちもプエルト・リコにおける海軍のやり方を他山の石として学んでいただきたいと思う。

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ビエケスへの緊急資金援助のお願い

ビエケスの救援と発展のための委員会(CRDV)・2001年5月1日

今回のビエケスにおける軍事演習に対する集中的な闘いはわれわれ人民にとってきわめてポジティブな影響を与えてくれた。何千人もの人々が、あらためて合衆国海軍がこの地で犯している権利濫用や違反についてますます認識を深めた。人々の平和的な行動に対して、催涙ガス、ゴム弾および実弾が使用されたことは、当地のみならず、本島や合衆国本土においても、プエルト・リコ人コミュニティーの間に更なる怒りを巻き起こした。
海軍の立ち入り禁止区域内で、みずから「人間の盾」となって爆撃を阻止する平和的市民的不服従行動は、今週いっぱい集中的に持続され、その間に150人以上の人々が逮捕された。「ビエケスの救援と発展のための委員会(CRDV)」と「平和と正義のキャンプ(PJC)」はこの市民的不服従行動と抗議行動の調整と組織、動員において核心的な役割を担ってきた。
活動にかかる月々の膨大な費用に重ねて、今回委員会は被逮捕者の保釈金のために既に2万5千ドルを支払っている。常習犯として保釈を認められていないグレゴリオ・フェリシアーノ氏とイスマエル・グァダルペ氏に対しては、依然として保釈金を用意しておく必要がある。これは2万ドル以上のものになると思われる。
ビエケスの平和に向けた集中的な闘いのこの重要な時期の膨大な出費を補填するために、私たちはあらゆる個人や組織からの財政援助をお願いする。この闘いは長期のものとなるだろうし、「平和と正義のキャンプ(PJC)」と「ビエケスの救援と発展のための委員会(CRDV)」はこの「赤ん坊の島」ビエケスの尊厳を防衛し、非軍事化をかちとるために活動を維持しなければならない。
ビエケスの闘いはすべてのプエルト・リコ人の闘いであり、平和を愛するすべての人々の闘いである。この闘いに対して皆様が暖かい援助の手を差し伸べてくださるであろうことを確信している。

小切手を以下の宛先に送付いただくか
CPRDV PO Box 1424 Vieques, PR 00765
または、プエルト・リコ人民銀行の委員会名義の下記の口座にお振り込みください
the Banco Popular de Puerto Rico # 112 868231


闘いの中で、連帯のために
ロバート・ラビン、CRDV