参考:マクア渓谷の文化小史
アメリカ合衆国陸軍からの手紙
2001年1月8日
マクアからの呼びかけ
アロハ。
陸軍の「環境アセスメント(EA)」に関する重要なヒアリングがまもなく行われます。ポカイ湾のワイアナエ陸軍レクリーション・センターで、2001年1月17日6時からです。マクアの平和のために活動しているワイアナエの住民たちは、この「環境アセスメント」は公正ではなく、不充分で、かつ不正確であるとして拒否しています。地域の住民の重要な関心事には決して答えられず、また基本的な情報が欠落しています。地域住民は陸軍が全面的な「環境影響報告(EIS)」を実施することを求めています。
1月17日のヒアリングにぜひ参加して、地域の人々を激励するとともに、またあなたの意見を表明して下さい。1月17日は決定が覆された日の(?)記念日でもあります。地域では5時から、記憶を新たにし、ヒアリングに向けたエネルギーを集中するために5時から集会を行います。
文書による意見書の送付もまた重要です。陸軍は演習への支持を高めるために退役軍人グループを動員しはじめています。意見書の送付の方法や主な論点については以下を参照して下さい。
爆撃演習をやめろ! マクアに自由を!
カイル・カジヒロ(AFSCハワイ)
「フイ・マラマ・オ・マクア」のチラシから
なぜ私たちはマクアにおける陸軍の活動に反対するのでしょうか?
あなたはご存知ですか?マクア渓谷がこんな風に使われてきたことを・・・
- 1千50万ポンドの廃棄物、その50パーセントは有害物質だといわれています、が捨てられてきました。
- マクアに捨てられた廃棄物にはこんな物が含まれています。
- 爆発物。TNT、DNT、白リン
- 有害化学物質。シアン、放射性セシウム
- 重金属。鉛、水銀、クロム
- ベトナムから持ち帰られた何トンとも知れぬ弾薬
- 300発の900ポンド・ナパーム弾
- ピクリン酸などの危険物
マクアの汚染は飲料水に影響を及ぼす可能性があります。
- マクアはマクア水脈につながるケア・アウ水脈の上部に位置しています。4000人以上のマクアの住民はマクア水脈から飲料水を得ているのです。
- マクアには既に危険なレベルの鉛、ニッケルが地表水から検出されたところがあります。しかし、十分な調査は行われていません。
来るべき世代のために清浄な環境を維持するために、陸軍は完全な「環境影響報告(EIS)」を実施すべきです。
連邦の法令により、マクアは「廃棄物の管理が厳重に行われるべき地域(SWMU)」に該当します。しかしながら陸軍は1941年以来ここに何が廃棄されてきたかを完全には公開していません。
マクアが実際にどの程度の汚染を被っているかをはっきりさせるために、さらなる調査が緊急に必要であり、そのための地域指定をすべきだと、ハワイ大学は推奨しています。
軍はいまだに、マクアでの演習を継続する以外のオプションをさがそうとはしていません。
あなたにできること
- マクアにおける全面的な「環境影響報告(EIS)」の実施を求める要望を、以下の宛先に電話や手紙で伝えて下さい。
Peter Yuh
Directorate of Public Works
US Garrison Hawai'i
Schofield Barracks HI 96057-5013
Tel: (808) 656-2878 ext. 1051
Email: yuhp@schofield.army.mil
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ピーター・ユー / 公共事業担当官
ハワイ州合衆国陸軍ショーフィールド駐屯地
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- ワイアナエ休暇キャンプでの1月17日の公開ヒアリングに参加して下さい。5時にガード街に集まって下さい。ヒアリングは6時からです。
- あなたも関心を持って下さい!「フイ・マラマ・オ・マクア」のフレッド・ドッジ博士、または「アメリカの友奉仕委員会(AFSC)」にコンタクトを取っていただければ、更なる情報が得られます。
*このチラシに掲載した情報は「ハワイ大学環境センター実地調査・予備調査報告書1992年5月」による。
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意見書提出にあたって参考となるいくつかの論点
第25歩兵隊または陸軍保留地、国防部隊、海兵隊部隊の縮小の用意に関するいかなる言及もない。
他の選択肢が全く検討されていない。代替方法の費用計算が適切でない。
マクアの環境への影響が限定的であるとのハリバートンの研究報告の引用は、ハリバートン報告の結論およびその要約と矛盾している。
「環境アセスメント(EA)」の土壌浸透に関するデータは他の報告書のデータと矛盾している。
有害物質の地表水による伝播についての不充分な研究。
ワイアナエを通過して兵器類の輸送を行うことについての影響について十分に考察されていない。
生物学的安定化計画は本質的に実験的なものに過ぎない。これが演習による影響を緩和する保証は何もない。
実施された生物学的な調査は絶滅危機種に対する影響について調べることを怠っている。アラエ・ウァ、コロア、アエオ、アウクウなど。オアフ・エレパイオの生息地の保護指定が演習によってどんな影響を被るだろう?
陸軍は既に、演習地の通路を変更する際にハワイ人のグループに意見を求めなかった点において法に違反している。人類学的な調査が完了する以前に建設工事が始まってしまった。その結果いくつかの大規模な居住地跡を示すかまどなどを含む貴重な遺跡が破壊された。
累積的な影響評価についても陸軍が分析すべきことが法によって要求されている。しかし「環境アセスメント(EA)」は土地、人民及び文化に対してこれまで加えてきた侵害について考慮することを怠っている。1940年代にこの地域から強制移住させられた家族達に対する侵害は?マイリー・ラウリー、ラマなどの聖地や礼拝所や埋葬地などのマクアの文化的な遺跡へのアクセスを拒絶された宗教者たちが受けてきた侵害は?爆撃及び実弾演習の価値はこれらの神聖な場所の価値を凌駕するとでも言うのだろうか?マクアにおける文化的な伝統を実践してきた最後の世代が死に絶えた時、これらの文化に対する知はどうなるのだろうか?マクアの土地に結びついてきた文化的伝統との接触を失った若い世代への影響は?
「環境アセスメント(EA)」は生きた文化的伝統について考慮することを怠っている。新たに制定された州法によれば「環境影響報告(EIS)」は文化的遺跡や文化的資源に対する影響のみならず、文化的活動に対する影響についても検討すべきことを要求している。「環境アセスメント(EA)」はマクアにおける宗教者の占める重要な位置を示す主要な口承文化の資料を除外してしまっている。文化の側面における自らの不充分な調査に基づいては、陸軍は「いかなる重要な影響もない」などという結論を出せるわけはないのだ。
「環境アセスメント(EA)」は貯蔵されている不発弾(UXO)の量、型、および場所について明らかにしていないし、不発弾による汚染の環境に対する、経済に対する、そして社会的な影響について検討していない。
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マクアからの呼びかけ(再送)
2001年1月22日
アロハ
以下に掲げるのは「マラマ・マクア」からの支援要請である。地域の人々は陸軍による「環境アセスメント(EA)」とその結果としての「重要な影響は見られない(FNSI)」との発表に対して、この調査はイカサマであり、不充分で不適切であるとして、拒絶している。もし「重要な影響は見られない(FNSI)」という見解が承認されるなら、陸軍は早ければ3月9日にも演習を開始する。どうか、この「重要な影響は見られない(FNSI)」との見解の発表に反対し、マクアにおける全面的な「環境影響報告(EIS)」を求めて行動をおこしてほしい。
マクアにおける実弾射撃演習に関する陸軍の最終公開ヒアリングは2001年の1月27日午後3時から、ワイアナエ地区公園多目的ホール(ワイアナエ図書館裏)において行われる。
マクアの支援者たちは2時30分に集合する。ここにやってきて次のことを表明してほしい。
- (1)「重要な影響は見られない(FNSI)」との見解に反対する。マクアにおける軍事演習は重要な影響を及ぼすと考える。
- (2)「環境影響報告(EIS)」の実施を支持する。
陸軍に対する意見書を1月30日までに提出することもできる。
Peter Yuh
Directorate of Public Works
US Garrison Hawai'i
Schofield Barracks HI 96057-5013
Tel: (808) 656-2878 ext. 1051
Email: yuhp@schofield.army.mil
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ピーター・ユー / 公共事業担当官
ハワイ州合衆国陸軍ショーフィールド駐屯地
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また、こんなイベントもあります。
マクアのための街頭行動
ファリントン・ハイウエー 1月23日から1月26日まで、3時から日暮れまで
ナナクリ公園入り口にて
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マハロ・ヌイ・ロア! マクアをまもれ! 爆撃演習をやめろ!
カイル・カジヒロ / AFSCハワイ
マクアを守れ・・・支援のお願い
スパーキー・ロドリゲス
2001年1月21日
次の土曜日、3時から日暮れまで、ワイアナエ地区公園多目的ホールで、陸軍主催の、マクアにおける実弾演習に対する「環境アセスメント(EA)」に関する最終回の公聴会が行われる。彼らはこの部屋を午後2時から午前2時まで予約している。彼らは500人くらいの集まりを予定している。彼らは実弾演習を支持する証言者を動員して証言時間をこれらの発言でいっぱいにしようとしている。
私たちは、文化的、経済的な、環境、健康、社会などにに対する影響が適正に議論されることを要求する。そしてこの種の軍事演習がそこに住んでいる人々や、その文化、大気、水、土壌、健康、生態、化学的なバランス、絶滅危機種等々、に対して及ぼすであろう、長期的および短期的な影響について発言できる人を求めている。
プラカードや横断幕を作るためのあつまりを、月曜日のひる12時からホア・アイナで持ちます。
ナナクリ公園入り口での街頭アピール行動を火曜日から金曜日まで、午後3時から日暮れまで行います。土曜日にはワイアナエ地区公園の入り口の道路脇で街頭行動を行います。私たちの基本スローガンは「マクアを守れ」です。
ご協力ありがとう。
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参考:マクア渓谷の文化小史
アメリカ合衆国陸軍からの手紙
マクア問題に関する意見/ホノルル・スター・ブレッティン紙の編集者への手紙
2001年1月21日
編集者への手紙
カイル・カジヒロ、アメリカの友奉仕委員会・地域計画主任
私たちには「知る権利」がある
陸軍はマクア渓谷での演習に際し「環境影響報告(EIS)」を行わなければならない。マクアに対する陸軍の立場を報道した1月19日の記事に対して、軍がマクアに関して何故に「環境影響報告(EIS)」を行わなければならないかについて意見を述べたいと思う。
確かに地域の人々はウカニポ・ヘイアウ(の聖地)への立ち入りができるようになったが、これをもって文化的な影響に関する評価をもはや不必要とする根拠にはならない。文化的な資源そのもののみならず文化的な実践への影響も同様に重要だと考えられるからだ。ウカニポ・ヘイアウは、その他のヘイアウ、礼拝所、農業を行っていた段丘、住居跡等々、マクアにおける数百もの伝統的、文化的に重要な意味を持つ場所のうちのたった一つに過ぎない。60年間近くにわたって、ハワイ先住民の宗教者達は彼らの土地の利用を妨げられたばかりか、宗教的文化的な場所への立ち入りを制限されてきた。大規模開発においては文化的な影響評価が必要であると州法が規定しているにもかかわらず、陸軍は宗教的実践に対する影響を軽視している。さらにマクア渓谷の重要性について証明している主要な口承歴史が、度重なる要求にもかかわらず「環境アセスメント(EA)」からは除外されている。もし、陸軍が、彼らが主張するとおり現在渓谷の文化調査を実施していると主張するのなら、調査が未了であるにもかかわらず「重要な影響は見られない(FNSI)」なる結論に到達できるのであろうか?
全国歴史保護法の規定に反して、州機関や文化財関係の人々との事前協議を経ることなく陸軍は演習場の建設を行った。その結果数多くの人類学的に重要な遺跡が重大な破壊を被ったのだ。これらの遺跡では大量の「イム」と呼ばれる土製の窯が発見されており、この土地に発展した社会が存在したことを示している。これらの遺跡の配置からはマクアの先住民がかつては存在した渓流に沿って居住しており、かなりの生産力を有する共同体を形成していたことがうかがわれる。この事実は、マクアは常に乾燥しており、人口もわずかであったとの推定を覆すことになる。最近調査が行われた6つの遺跡はいずれも全国史跡登録に含め得る価値を持っていると考えられる。この事実はEAでは無視されている。われわれの文化遺産に対する更なる破壊を阻止するために、完全な文化的な影響評価の実施がなされなければならない。
全国環境政策法(NEPA)の規定によれば、陸軍はその行動による累積的な影響について報告しなければならない。合衆国環境評価委員会は「環境政策法における累積的影響について」というその1997の出版物のなかで、累積的影響評価においては現在及び将来にわたる影響のみならず、過去における影響も評価しなければならず、しばしばEAでは累積的影響評価が適切に行われていないと指摘している。
にもかかわらず、陸軍は、信頼できる基礎データ作成のためには必要と思われるマクアにおける過去の影響評価について調査することを拒否している。「環境アセスメントは過去における影響を記述するためのものではない」なる陸軍の主張を見るに、徹底した「環境影響報告(EIS)」の実施が、マクアの過去60年間にわたる使用の影響評価を行うためにはぜひとも望まれる。
国防省自身の「軍事物資に関する全国政策・最終報告」(2000年9月)のなかで「かかる重要な資源を管理する上で基本的に前提となるのは、射爆場およびそこで行われたまたは行われつつある活動、これらの活動によって残留する影響についての基本的な性格に関わる情報へのアクセスが可能なことである」、と述べている。この同じレポートは、射爆場に関するデータが以下の項目を含むことを提案している。「射爆場の諸元、(すなわち境界、射撃線、目標及び着弾地)、使用された爆弾(すなわち、型式、量、射爆場内か外かの位置、推定される不発弾の率)、射爆場の浄化作業が行われたか否か(いつ、どの場所が、使用された探知技術、発見されたものおよびその状態、すなわちその安定性、信管がついていたか否か)。」
陸軍は爆発物の使用の継続を提案しているが、マクアに過去に放置した不発弾(UXO)の危険性について何らの調査も行っていない。土壌と水脈の汚染に関しても系統的な調査を行ったわけではない。陸軍の主張するところによると、彼ら自身マクアの「屋外焼却および爆発場(OBOD)」にいかなる量及び種類の危険物質が廃棄されているかわからないとのことである。地域の住民は最近のハワイ大学の調査によって、1千50万ポンドの廃棄物、その半分が有害物質と考えられる、がOBODに廃棄されていることを知ったばかりである。地域に対する健康上の影響については何ら研究は行われていない。
最後に、陸軍のEAは、あらかじめ決定された結論を支持するために書かれており、科学的な文書としての要件を充たしていないので採用することができない。EAを実施したオニックス・グループの代表者は彼が請け負った仕事が陸軍の演習の再開のためのものであったことを認めている。また陸軍はマクアにおけるPRキャンペーンの主目的に「演習の再開がうまく行くこと」を掲げている。かかる強力な演習再開への政治的プレッシャーがEAの調査結果を偏ったものにせずにはいないのだ。
陸軍の「環境アセスメント」はイカサマであり、不充分でかつ不適切である。いかなるものであれ、マクアにおける将来の行動が決定される前に、陸軍は誠実かつ公正な「環境影響報告」を行う必要がある。ワイアナエの住民とハワイの人民は、知る権利を有している。
参考:マクア渓谷の演習に関する環境アセスメントへのご意見への回答・アメリカ合衆国陸軍からの手紙