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「公理IIの2条件」の内容が不明なので、これを、以下の「カントール(Cantor)の公理」と解して、若干問題を作り変えてみた。
0<a<bとする。2つの数列{an},{an}を次のように定める。
- (1) 任意の自然数nに対して、an<bnを示せ。
- (2) 閉区間In=[an,bn]とすると、In+1⊆Inを示せ。
- (3) を示せ。
- (4) {an},{bn}は収束し、であることを示せ。
カントール(Cantor)の公理
- 閉区間の無限列Inが、
I1⊇I2⊇・・・⊇In⊇In+1⊇・・・
をみたしていて、かつ、
- iが無限に大きくなるときIiの幅が0に収束するならば、
すべてのIiに共通に含まれる実数αが、ただ一つ存在する。
問(2)は、「カントールの公理」の前半の条件、閉区間の無限列の存在の証明、
問(3)は、「カントールの公理」の後半の条件、閉区間の幅が0に収束することの証明、
を、それぞれ要求している。ここから、「カントールの公理」より、
任意のnに対応する閉区間Inに共通に含まれるただ一つの実数αの存在が導かれ、
問(4)で、{an},{bn}ともに、そのαに収束することを導く。
(1)
n=1,2,3,・・・に対して、an<bnを示す。数学的帰納法による。
- n=1のとき、a<bすなわち、a1<b1
- n=kのとき、ak<bkと仮定する。
あきらかに、ak>0,bk>0だから、ak+1<bk+1
n=k+1のときも成立する。
i,iiより、n=1,2,3,・・・に対して、an<bnが示された。
(2)
In+1⊆Inすなわち、an≦an+1<bn+1≦bnを示したい。
- (1)より、an+1<bn+1である。
- an≦an+1を示す。
(1)より、0<an<bnだから、
0<an2<anbn
0<an<√anbn
0<an<an+1示された。
- bn+1≦bnを示す。
(1)より、0<an<bnだから、
0<an+bn<2bn
0<(an+bn)<bn
0<bn+1<bn示された。
よって、an≦an+1<bn+1≦bnすなわち、In+1⊆Inが示された。
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